ブログ

台湾実習の報告

 かなり前のことになりますが、2024年9月、横田ゼミ(文化人類学)の学生7名とともに台湾にて実習を行いました。今回のテーマは、日本の植民地統治時代の遺構がどのように復元されているかを見ることと、台湾のジェンダー平等の推進状況、並びに人権侵害に関する移行期正義(*注)について理解することです。
 訪問先の1つとして、桃園市に残る桃園忠烈祠及び神社文化園区を紹介します。ここは、中華民国が経験してきた戦争で犠牲になった軍人の英霊を祀る施設ですが、元神社の本殿・拝殿をそのまま使っています。取り壊しの計画があったものの、地元建築士の強い勧めで残されました。近年、台湾にいながら日本を感じられる場所として、観光地化されています。元鳥居より外の地区については、民間業者に委託運営しているということで、日本でいう手作りマルシェのような商店がたちならなんでいました。一見、友好的に見える活用ですが、植民地統治による甚大な被害とそれについての人々の思い、そして日本文化の消費を混同することなく、受け止めてほしいと願っています。(横田)

*注:長年にわたる紛争や抑圧の中で発生した人権侵害の規模が大きすぎるため、通常の司法では対処しきれない場合に国家が行う取組みのこと。

 

写真1 桃園神社の元鳥居

 

 

写真2 桃園神社の手水舎

 

 

写真3 御朱印

 


地理学ゼミ お取り寄せ報告会&実食会(2024年度後期)

 地理学ゼミでは、地域文化演習Ⅰを履修する2回生と教員が地域の名物のことを研究し、取り寄せてゼミ生全員で実際に食べるという取り組みを続けてきました。メニューは教員が指定するのではなく学生コンペで決めます。2024年度後期のメインディッシュは山口県の「下関(しものせき)ふく」(トラフグ)、デザートは鳥取県の「新雪梨」です。

 1月21日に開いた研究成果の報告会では、目立った漁獲地でも養殖産地でもない山口県下関市が全国的にもよく知られるフグの街となった地理的背景や、鳥取県産梨の品種改良における新雪梨(大玉・糖度が高い・熟期が遅く初冬にも収穫可能)の重要性が説明されました。プレゼンテーションも作り込まれており、レベルが高かったと思います。

 そのあとは実食です。「下関ふく」を満喫してから(前半はフグ刺し、後半はしゃぶしゃぶ、締めはフグ雑炊)、「新雪梨」で後口さっぱり。2回生から4回生までゼミ生全員が集まったため、残りのお持ち帰りはありません。ごちそうさまでした。(塚本礼仁)

 

【写真1】報告会 下関ふく

 

【写真2】報告会 新雪梨

【写真3】実食会 下関ふく

 

【写真4】実食会 新雪梨


ヨシ(葭)刈りの予定を変更し、古文書調査を実施しました

 1月中旬に、近江楽座「地域博物館プロジェクト」メンバーで西の湖(近江八幡市)のヨシ刈りを実施する予定を立てていました。古文書調査を継続している西川さんのヨシ地で、ここ2、3年ヨシを刈らせていただいています。
 勇んで準備をしていたのですが、寒波襲来による前日までの積雪のため、残念ながらヨシ刈りは来月に延期となりました。
 早速、古文書調査に切り替え、いつものように作業に入ります。在学生に加えて、卒業生たちも参加してくれたのですが、皆の調査経験値と古文書読解力が高くなっているため、スムーズに古文書調査に移行できました。歴史学(日本史)の学芸員の卵として、成長していますね。
 来月のヨシ刈りが楽しみです!(東幸代・市川秀之)

 

【写真1】古文書調査風景1

【写真2】古文書調査風景2

【写真3】昨年のヨシ刈り(参考)