【研究分野紹介】地理学

ビワマス滋賀県立大学周辺の避難所立地 塚本礼仁先生

地域文化学科の塚本礼仁(つかもと れいじ)と申します。専門は地理学です。食べ物や伝統工芸品などの「特産地」が、国内外のライバルとの競争のなか、どのような工夫によって生き残ってきたのかを研究しています。現在は、時間の許す限り滋賀県内の道の駅や直売所を巡り、琵琶湖の宝石・ビワマス(写真1)の流通範囲の調査を進めているところです。

また、新型コロナウイルス感染症の拡大は、毎年のように大きな風水害に見舞われるようになった日本において、「避難所こそが“三密”である」という新たな問題を浮き彫りにしました。こうした観点から、ゼミや実習を使って、滋賀県立大学周辺の避難所立地について再考する取り組みも始めました(写真2)。

最後に・・・。NEW YORK、PARIS、OMUTA、LONDON(写真3)。OMUTAって何? 気づいた人、そしてOMUTAについて調べてみた人。すごく地理学のセンスがあると思います。この学科で地理学を学んでみませんか。(塚本礼仁)


【研究分野紹介】世界遺産学・考古学

穴太野添古墳群と金先生和歌山市大谷古墳韓国慶州の瞻星台

世界遺産学・考古学のゼミを担当しています、金宇大です。日本の世界遺産といえば、昨年は「百舌鳥・古市古墳群」が登録され、また来年には「北海道・北東北の縄文遺跡群」の登録を目指して、推薦書が正式に提出されます。最近、考古遺産の推薦が相次いでいますが、私の専門はまさに「考古学」です。普段の研究では、世界遺産に限らず、様々な遺跡や出土品などの「文化遺産」を分析しています。特に、まだ文字による記録がほとんどない古墳時代、当時の「日韓関係」がどうだったのか、具体的にどんな交流がなされていたのか、ということを追究しています。世界遺産の登録をめぐっても、なにかと摩擦の多い「隣国」ですが、遺産を手がかりに両地域の良好な関係を模索できればと、日々研究に取り組んでいます。

写真1:渡来人の古墳とされる大津市・穴太野添古墳群を訪れてみた

写真2:学外実習で和歌山市の大谷古墳にのぼる学生たち

写真3:映えスポットとして若者に人気を博す韓国・慶州の世界遺産「瞻星台」


【研究分野紹介】保存修景

伝統的な建造物の調査風景 コンコンピュータを使用した製図風景

専門が「保存修景」の石川慎治です。「保存修景」という言葉をあまり聞いたことがないと思いますが、文化遺産や歴史的景観の価値を評価し、現実社会に蘇生させ、その活用を図るための計画を「保存修景計画」といいます。

私のゼミでは、伝統的な建造物やそれらで構成される町なみ・集落を対象に、その保全・継承のあり方について模索しています。これまでにも、学生と一緒に、建造物や町なみ・集落における文化財指定のための調査を行ってきました。また、かつて存在していた建造物を復元しながら、当時の歴史的景観を探る活動も行っています。このような活動を通して、地域の文化遺産を発見し、まちづくりに活かしている卒業生もいます。

【写真1】 近影

【写真2】 伝統的な建造物の調査風景

【写真3】 コンピュータを使用した製図風景