韓国の城郭フォ—ラムに参加しました

南漢山城 水原水門 水原八達門 水原フォーラム

12021日に韓国の水原で日中韓3ヶ国による城郭国際フォーラムが開催され、日本城郭の本質的価値についての発表をおこなってきました。会議では韓国の2つの世界遺産である南韓山城と水原華城の見学がありました。延々と城壁を巡らす構造は日本の城郭とはまったく異なるものです。いずれも城壁内には王が戦いの際に住むための行宮と呼ばれる宮殿が置かれており、首都からの避難施設として構えられた城壁であったことがうかがえます。さらに城壁内には都市が囲い込まれていますが、これも日本の城には見られない構造です。また、世界遺産としての修復や維持管理がおこなわれており、構造だけではなく、保存活用に関しても大変参考になった見学会でした。(中井 均)


妙法寺の勧請縄

妙法寺勧請縄設置 妙法寺勧請縄調査

1月12日は各地でさまざまな行事がおこなわれた日でした。民俗学ゼミでは朝6時半から甲賀市稗谷のおこない行事、午後から東近江市妙法寺の勧請縄行事を見学しました。勧請縄はしめ縄にさまざまな飾りをつけたもので滋賀県では神社の鳥居にかけることが多いのですが、妙法寺では集落の入り口2か所にかけます。朝から当番の班の人がでて縄をない、昼過ぎにはクレーン車などを使ってかけられました。集落のみなさんは非常に親切に学生の質問にもお答えいただきました。またこの集落には地域文化学科の1回生も住んでいて行事に参加していました。(市川秀之)


イギリス留学記

ヨークセントジョン大学1 ヨークセントジョン大学2 ヨーク大聖堂1 ヨークの友達

こんにちは、地域文化学科4回生の高橋由真です。私は、2019年9月から今年6月までの予定で、イギリス・ヨーク市にあるヨークセントジョン大学(York St John University、略してYSJ)に留学しています。YSJでは、観光学のコースでイギリス人と一緒に観光の歴史や持続的な観光の在り方について学んでいます。グループワークが毎週必ずあるので、ネイティブと会話する機会が多くあり、とても刺激に溢れている環境です。

YSJがあるヨーク市は、中世の面影が残る街です。観光地としても有名で、連日観光客で賑わっており、イギリスの中でも安全な都市と言われています。

生活していて感じることは、イギリス人は人に敏感でしゃべり方や服装、車、行きつけのお店などをよく見ているということです。これはイギリス特有の階級制度や、現在抱えている移民問題に関連しているようにもみえます。

ホリデーには現地の友達とショッピングや海外旅行へ出かけたりし、学区内外で充実した生活を送っています。

地域文化学科4回生 高橋 由真


タナ・トラジャでの実習

泊まったトンコナンの前で 葬儀の参列葬儀を見る学生たち

文化人類学ゼミでは、2019年12月22-31日にかけて、インドネシア・スラウェシ島のタナ・トラジャに実習に行ってきました。トラジャは、牛のツノのような形をした屋根を持つ伝統的家屋や、盛大な葬儀が行われることで有名です。私たちは歩いて村々を回り、建築儀礼の豚の供儀や葬儀に遭遇しました。そうした儀礼は、新築を祝う/死者を弔う以外に、関係者が富の蕩尽を行う、人々にとって最大の喜びであるかに見えました。一説には、東南アジアの基層文化の特徴でもあり、キリスト教化されたことによる影響でもあるそうです。途中、伝統的家屋トンコナンに泊まらせてもらい、雨水で水浴びをし、寒さにふるえながら夜を明かしました。参加学生の中には、海外旅行が初めての学生もいましたが、あらゆることを楽しんで乗り越えてくれました。今後は普通の旅はできなくなることでしょう。(横田)


チベットの謎の石塔「カル」

中路郷のカル カルを目指して崩れかけのカル

昨年の10月29日から11月4日まで、学生たちと一緒に中国四川省のカンゼ・チベット族自治州へフィールドワークに赴き、現地の集落やその周辺に点在する「カル」とよばれる石塔を見て回ってきました。「碉楼」や「石碉」などとも呼ばれるカルは、おおむね12世紀代から17世紀頃にかけてつくられたとされています。私たちが今回拠点にした丹巴県周辺だけでも550を超えるカルが現存していますが、その性格や用途については、はっきりわかっていません。まさに「謎の遺跡」です。

カルは、民家に隣接するものもあれば、山の中腹にポツンと存在するものもあります。標高3000m近い山奥で、藪をかき分けてカルを目指す道のりは、過酷そのものです。しかし、息を切らしてたどり着いた先で、崩れかけながらも厳然とたたずむカルを目にしたとき、私たちは息をのみました。悠久の時を見守ってきたカル。「なぜこんなところに、こんなものがつくられたのだろうか…」静かな興奮に、私たちは震えました。(金宇大)