ブログ

和歌山県での社会学ゼミ学外実習

地域文化学科の社会学ゼミでは、夏休み(8月、9月)と春休み(2月、3月)に学外実習を行なうことが恒例となっています。2026年度の夏休みは、8月に和歌山県有田川町と美浜町で、9月に滋賀県草津市(FEST.INAZUMA 2026)で学外実習を行ないました。この記事では、和歌山県での実習について紹介します。
 和歌山県は、主に4回生のゼミ生達の研究関心から選びました。近年、空き家が増加している現状が日本全国であり、それは「空き家問題」という社会問題として広く認識されています。特に、農村部における「空き家問題」は、過疎化の問題とつなげられることが多く、それらの問題を解決するための方策として、空き家を利活用しようとする動きが各地で見られます。ゼミ生の研究対象地である和歌山県有田川町でも、住民主体による空き家・廃校の活用事例がたくさんあります。そうした空き家・廃校の活用事例の実態を調査するとともに、観光地としての有田川町の魅力についても調査することが、有田川町を訪れた目的でした。実際に訪れたのは、元理髪店を改装して作られた「ピザ食堂Rita」(図1)、観光スポットである生石高原(図2)や蔵王橋、山椒ソフトクリームを提供している古民家カフェ「kado」、「国の重要文化的景観」に選定されているあらぎ島、元保育所をリノベーションして作られた複合施設内にあるパン屋「Grand Avenir」などです。どこも非常に魅力的な場所でした。実際に訪れた後は、気づいたことや感想などをゼミ生たち全員で共有しました。
 和歌山県の美浜町を訪れたのは、別のゼミ生の研究対象であるアニメ『Air』の聖地があるからでした。聖地までは、JR御坊駅に隣接している紀州鉄道を利用しました。始点の御坊駅から終点の西御坊駅まで、10分弱の道のりでした。紀州鉄道は、日本一短いローカル私鉄であるそうです。当初は、移動のためだけに乗った紀州鉄道でしたが、この電車に乗ったからこその発見がありました。西御坊駅に設置されている「おもいでノート」が、鉄道ファンのみならず、『Air』の聖地巡礼者たちにとっての足あとノートにもなっていたのです(図3)。これは電車に乗らなければ気がつかなかったことでした。現地に行ってみるからこそ発見できることがあるのが、フィールドワークの面白いところです。
 今回の学外実習の成果を活かして、良い卒業論文が出来上がることを期待しております。(櫻井悟史)
                    

【図1】「ピザ食堂Rita」の店内で撮影。大きな鏡は理髪店時代の名残

【図2】生石高原での集合写真

【図3】西御坊駅に設置されていた「おもいでノート」


環琵琶湖文化論実習3班

 環琵琶湖文化論実習3班は、「歴史研究とまちづくり―文献史学・考古学の実践」をテーマとし、守山市と日野町を中心に実習をおこないました。本学科には、将来的に文化財保護行政に携わることを目標としている学生が多く、実習の準備学習では、両自治体で文化財の保存・活用に関するマスタープラン兼アクションプランとして策定された「文化財保存活用地域計画」などについて学び、理解を深めました。
 実習当日の3日間は、守山市の遺跡発掘現場や日野町の近江商人関連の施設などを上記「計画」を念頭に踏査するとともに、日野町の歴史文化財担当のみなさまの全面的なご協力のもとで、実際の文化財調査をおこないました。清源寺での石造物の実測・拓本調査も、町内に残る近世・近代の商人の古文書調査も、学生たちにとっては得難い経験になったと思います。
 今回の実習は、日野町さまをはじめ、滋賀県埋蔵文化財センターさまや守山市教育委員会さま、長壽寺さまなど、多くの方々にご指導いただき、大変充実したものとなりました。改めまして御礼申し上げます。(東 幸代・佐藤亜聖)                                                                                                                                                                  
                                                                                                                                               

【写真1】発掘ご担当者から遺跡の説明をうける(守山市・笠原南遺跡)

【写真2】石造物の拓本をとる(日野町・清源寺)

【写真3】古文書をよむ(日野町・西大路公民館)

【写真4】調べ学習担当学生による説明をきく(日野町・馬見岡綿向神社)


環琵琶湖文化論実習2班

 2026年度環琵琶湖文化論実習2班は「朝鮮通信使の道を歩む」というテーマで、朝鮮通信使の陸路旅程の一部(京都府の淀~彦根)をたどりつつ、江戸時代における日朝交流の歴史や現代の滋賀に残る街道沿いの文化を考えました。朝鮮人街道や中山道、そして近江鉄道や道の駅など、近江・滋賀県を行き交うさまざまな「道」の歴史と、そこから生まれ育まれてきた多様な文化を、実際に目で見て肌で感じることのできる有意義な時間となりました。また、1日目の昼には伏見にある韓国料理店でビビンパ定食を食べながら、現在の日韓文化交流を身近に体験しました。訪問した各見学先では関係者の方々から丁寧な解説を聞くことができ、フィールドワークでしか得られない現地ならではの知識や経験の大切さを感じることができました。ご協力くださった方々に心より御礼申し上げます。(李・櫻井)
                                                                                                                                 【写真1】韓国料理店でビビンパ定食を待ちながら

【写真2】(草津宿街道交流館)学科OB・八田学芸員の解説

【写真3】八幡堀での団体写真