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日本美術史のゼミで、2泊3日の学外実習に行きました

 日本美術史のゼミで、11月5日から7日まで学外実習に行きました。貸し切りバスで、奈良県立美術館、兵庫県の浄土寺、鳥取県の植田正治写真美術館、鳥取県立美術館に行き、展覧会等を見ました。
 今回の大きな目的は、鳥取県立美術館を訪れることでした。鳥取県立美術館の学芸員、山田修平さんは県大美術史ゼミの卒業生です(山田修平さんの「卒業生の声」リンク)。ちょうどの山田さん企画の「The 花鳥画─日本美術といきものたち─」展が開催されており、鳥取藩の御用絵師をはじめとした近世の絵師たちの花鳥画110点余りを見ることができました。山田さんには、作品ごとに絵としての面白さや工夫、モチーフの意味などを丁寧に解説していただき(図1)、それに応えてゼミ生とプレゼミ生それぞれも、自分が魅かれた作品はどれか、どこがよかったのかなど、感想や意見を活発に述べて、充実した時間を持つことができました。先輩の活躍に刺激を受けたことでしょう。山田さん、ありがとうございました。
 鳥取では、鳥取砂丘を舞台にモダンな写真を撮影した植田正治の写真美術館も見学。その後鳥取砂丘に行ったところ、ゼミ生みんなで「植田調(UEDA-CHO)」と言われる作風を真似た写真を取り合って楽しんでいました。見たものを消化してすぐに独自に展開させる学生たちの創作能力には脱帽です(図2、3)。
 他にも、東日本大震災を経験し生命の尊さを表現する彫刻家安藤榮作展(奈良県立美術館)や、浄土寺の大仏様の浄土堂や阿弥陀三尊立像などを見ることができ(図4)、充実した実習となりました。(亀井若菜)

                                                                                             

【図1】鳥取県立美術館にて

【図2】鳥取砂丘にて

【図3】鳥取砂丘にて

【図4】浄土寺にて


「ブラタモリ」とフィールドワーク

 2025年9月26日のブログ(リンク)でもご紹介しましたが、今年度、滋賀県立大学・地域文化学科の環琵琶湖文化論実習(以下、環琵)3班の学外実習3日目は近江八幡市でした(写真1、2)。「中世から近世へ:近江地域社会の変容」というテーマで実習を行いましたが、先日、近江八幡市を特集した番組「ブラタモリ」(NHK)を見ていたところ、番組内で取り上げられた話題が3班の実習内容と一致する部分が多いのに驚きました。

 その一つに、豊臣秀次が城下町・八幡をつくるために整備した「背割下水(排水)」があります。環琵3班の学外実習では、「背割下水を実測調査して、その構造を知ろう!」というフィールドワークを実施しました(写真3~8)。
 環琵は1回生を3班に分けますが、毎年、「どんな場所で、どんなフィールドワークを体験してもらうのか」を各班の担当教員は考えています。地域文化学科・教員の専門分野によって、各班で行われるフィールドワークの内容は異なりますが、学生さんにはとても好評です。

 フィールドワークの良さは、みんなでワイワイしながら作業を行うところだと思っています。「ブラタモリ」でも出演者のみなさんが楽しそうに地域の歴史を解き明かしていますが、同じような感覚なのではないでしょうか。
 地域の歴史や文化に関心のあるみなさん、地域文化学科で一緒にフィールドワークしましょう!(石川慎治)

                                                         

【写真1】実習風景(八幡掘)

【写真2】実習風景(新町通り)

【写真3】フィールドワーク風景(調査地1)

【写真4】フィールドワーク風景(調査地2)

【写真5】フィールドワーク風景(調査地3)

【写真6】フィールドワーク風景(調査地4)

【写真7】フィールドワーク風景(調査地5)

【写真8】フィールドワーク風景(調査地6)


社会学ゼミのアニメ聖地巡礼

 地域文化学科の社会学ゼミでは、これまで何度かアニメ聖地巡礼の学外実習を実施してきました。先日も、ゼミ生の一人が、アニメ『AIR』(京都アニメーション制作)の聖地巡礼に興味があるということで、兵庫県香美町を訪れました。
 『AIR』は2005年に放映されたアニメなのですが、香美町にある香住観光協会では(図1)、放映から20年経った今でも『AIR』の聖地巡礼者のための様々なおもてなしを用意してくれています(いつからこうした取り組みがあるのかについては不明)。香住観光協会で聖地巡礼マップを受け取った社会学ゼミの一行は、その地図を手がかりに、アニメに登場した場面を探したり、町に点在している『AIR』仕様の飛び出し坊やを見つけたりしました(図2)。
 香住観光協会では、『AIR』の聖地以外にも、余部鉄橋というところが見ごたえがあると教えてもらったので、そちらにも行ってみることにしました。余部鉄橋には、地上約40メートルの位置に「空の駅」という展望施設がありました(図3)。JR餘部駅に直結するその場所は、どうやら鉄道ファンの聖地になっているようでした。思いがけず、別の聖地に辿り着いたわけですが、そこに置かれた旅ノートを読んで(図4)、聖地研究はもっと拡張できるのではないかということを考えたりしました。
 折角、兵庫県に行きましたので、同じく兵庫県に聖地がある『涼宮ハルヒの憂鬱』(京都アニメーション制作)というアニメの聖地も訪れました(図5)。そこは、アニメ聖地研究にとっても重要な場所なのですが、十数年来の同アニメのファンである私にとっては、ついに来ることができた、感慨深い場所でした。(櫻井悟史)                                                    
                              

【図1】香美町香住観光協会内にある『AIR』コーナー(許諾を得て撮影しております)
                                  

【図2】『AIR』の登場人物の姿をした飛び出し坊や
               

【図3】余部鉄橋「空の駅」展望施設の一部
                    

【図4】餘部駅に置いてあった旅ノート
                      

【図5】『涼宮ハルヒの憂鬱』の聖地巡礼を終えたあとのゼミ生集合写真(甲陽園駅)