2024年度後期の地域文化基礎演習(萩原担当分)を実施しました

 12月20日(金)に、1回生を対象とした地域文化基礎演習を実施しました。この科目は、学科の各専門分野を、1年次の早い段階で知る機会として、後期に実施する学科必修科目です。13名の学科教員が持ち回りで担当しており、今回は地域計画学を専門とする萩原が、2コマ(180分)を担当しました。
 授業の内訳としては、前半(1コマ目)に、座学として県大八坂キャンパスを事例に地域計画学の基本を学び、後半(2コマ目)に、本学キャンパスの魅力を、学生目線でまとめ上げる個人ワークに取り組みました。作業開始時は、キャンパス景観の特徴をどのように言葉に表現するべきか戸惑う学生も多かったようですが、試行錯誤しながら県大キャンパスの魅力をワークシートにまとめ上げてくれました。(萩原)

 

【写真1】地域文化基礎演習の様子

 

【写真2】地域文化基礎演習の様子

 

【写真3】個人ワークシートの一例

 

 

 

 


高野山での石造物調査

 先月、地域文化学科の考古学ゼミメンバーで、高野山での石造物調査を実施しました。高野山の麓の慈尊院から山上の金剛峯寺へと通じる町石道(ちょういしみち)は、空海によって開山されて以来、主要な参詣道とされてきた全長約22kmにおよぶ高野山の表参道です。ここには「町石」と呼ばれる石製の道標が1町(約109m)ごとに180石建てられています。これらの町石は、鎌倉時代に各地から集まった石工たちによってつくられたもので、よくよく見ると一つ一つ細部の特徴が異なっています。こうした違いを追究することで、どの地域からやってきた石工が製作したものかを探っていくことができるのです。

 

 あいにくの雨の中、朝から一つずつ町石の細部写真を撮影しながら参道を登っていきました。100石ほどを記録したところで日没を迎えタイムアップ、あとはただ歴史に思いを馳せながら無心に歩き続け、満身創痍になりながら真っ暗の登山道をなんとか登り切りました。12時間におよぶ大変な調査となりましたが、貴重な記録が得られたのはもちろん、実際に登ってみたことで、登拝の過酷さとそれでも霞まない高野山の荘厳さを、まさに肌で感じることができました。フィールドワークの重要さと面白さを改めて確認した調査でした。(金宇大)

 

【写真1】 町石の調査風景
【写真2】 序盤でまだ元気だったころの一行
【写真3】 日没を迎えて焦る一行

日本中世史・近世史ゼミ 学外実習

 11月27・28日の一泊二日で、岐阜方面に学外実習に行ってきました。

 事前学習では、文献史学・歴史地理学・考古学といった様々な学問分野で行われている城郭に関する論文を毎週1本ずつ読みました。お城という同じ対象でも、分野によって研究手法や問題関心に様々な違いがあることを知ってもらえたのではないかと思います。

 実習の1日目には、岐阜市歴史博物館・岐阜城・岐阜大仏(正法寺)を見学しました。2日目には、犬山城を見学したのち、各務原市歴史民俗資料館にて古文書を見学させていただき、最後に戦国時代の地侍の館跡である野口館を見学しました。実習を通じて、中世の“土の城”から石垣や天守を伴う近世城郭へという変遷の過程を具体的に学ぶことができました。

 見学先各所では、地元の学芸員さんにご案内・ご解説をいただきました。地域に残る文化財の保全・調査研究・魅力発信に情熱を持って取り組んでおられる姿が大変印象的でした。学生にとっても、自身の学びが将来どのような仕事に結びついていくのかを考えるよい機会になったのではないかと思います。

 訪問先各所にお世話になりましたみなさまに改めて御礼を申し上げます(高木)。

 

【写真1】岐阜市博にて展示見学

 

【写真2】 岐阜城の見学

 

【写真3】 犬山市文化史料館にて展示見学

 

【写真4】 各務原市歴史民俗資料館にて古文書見学