環琵琶湖文化論実習 1班 学外実習報告

 環琵琶湖文化論実習は、1回生が滋賀県の地域文化について調べ、実際に現地へ足を運び、学んだことと見聞きしたことを織り交ぜながら報告書をつくるという、学科として最も力を入れている授業です。1回生約60名を3つの班に分けておこないますが、泊まりがけの学外実習をともないます。2025年度は8月6・7・8日に実施しました(2泊3日)。

 1班(担当教員:塚本・京樂・李)は「道の国の歴史と現在」をテーマに掲げました。琵琶湖を擁する滋賀県/近江は「湖国」を名乗ったり、そう呼ばれたりします。このことに比べるとあまり知られていませんが、東西日本の連結部に位置する滋賀県/近江は、「道の国」という別の顔を持っています。大げさな話ではなく、昔も今も、人やモノや文化は滋賀県/近江の「道」(時代によっては琵琶湖も「道」)を通って東西南北へ動いているのです。

 このような地域性をふまえ1班は、歴史と地理の両輪で、滋賀県/近江の「道」を深掘りしています。なお、滋賀県/近江の鯖食文化を福井県/越前・若狭とのつながりからみることも趣旨に含むため、学外実習では「環琵琶湖」の範疇内として福井県まで足を伸ばしました。(塚本礼仁・京樂真帆子・李ヘジン)

【写真1】8月6日 琵琶湖大橋をバックに

【写真2】8月7日 鯖街道起点(福井県小浜市)にて

【写真3】8月8日 京樂先生による塩津港遺跡の説明


滋賀における移民の歴史と現在・未来――滋賀、アジア&ラテンアメリカに出会う

 環琵琶湖文化論実習2班は、上記のテーマで、1回生20名が学んでいます。8月6-8日にかけての実習旅行では、モスクのマスジド・アン・ヌール能登川(東近江市)やブラジル人学校の日本ラチーノ学院(甲賀市)を訪れ、インドネシア出身のムスリムの方や、ブラジル人高校生と交流をしました。また、甲賀市多文化共生推進室を訪問し、人口比率の増加が著しい外国人市民の支援方針についてお話を伺いました。

 そのほか、下之郷遺跡(守山市)や木瓜原遺跡(立命館大学びわこ・くさつキャンパス内)、大津市歴史博物館とオンドル跡(大津市)を見学し、滋賀には渡来人の痕跡が数多く残っていることを学びました。そして最後は、県内でも急増しているベトナム人の中で、世話役をかっていらっしゃる方に県大で講義をしていただきました。学生たちは、外国人市民と直に交流する楽しさを味わうと同時に、国の移民受け入れ制度やさらなる移民支援の必要性を学んだようです。

 貴重な機会を下さり、実習の実施にご協力くださいました皆様に、深くお礼申し上げます。(横田祥子、金宇大)

 

【写真1】マスジド・アン・ヌール能登川の皆さんと

【写真2】日本ラチーノ学院での交流の様子

【写真3】木瓜原遺跡の見学