岐阜県での古代の遺跡踏査

遺跡や出土品といった「モノ」を分析対象にして、過去の人々の営みを研究するのが「考古学」です。ほとんどの場合、遺跡や出土品には、「どこの誰が、いつ、何のためにそれをつくったか」といった情報が、直接記されてはいません。ですので、考古学の研究では、机の上で書物をひもとくだけでなく、「自分の目で見て、確かめる」ということが重要なアプローチになります。

ゴールデンウィーク中、考古学ゼミでは、地元の研究者の方にご案内いただきながら岐阜県の西濃エリアに分布する古代の遺跡踏査を実施しました。現地に実際に足を運び、遺跡を取りまく地形や、周辺の遺跡との位置関係を確認すると、発掘調査報告書を眺めているだけでは見えてこないことがわかってきます。なぜそこにその遺跡が存在するのか。「百聞は一見に如かず」を積み重ねることが、考古学の研究の基本なのです。(金)

 

関ヶ原・不破関周辺

大垣市・美濃国分寺跡

大垣市・矢道長塚古墳

 


日本中世史ゼミの活動

大学生活において重要な学びの場となるのが、いわゆる“ゼミ”です。本学では3回生から本格的に配属されます。具体的なイメージを持ってもらうために、今回は日本中世史ゼミの普段の取り組みをご紹介したいと思います。

毎年試行錯誤していますが、今年度の前期は、①史料輪読、②論文輪読、③研究発表の三本柱で進めています。全員がそれぞれ1回ずつ担当します。

①では北近江の戦国大名浅井氏の発給した古文書を読んでいます。これに合わせて、②でも浅井氏関係の論文を読んでいます。相乗効果でより深い理解が得られるのでは、というのが狙いです。史料にせよ論文にせよ、みんなで議論しながら読んでみると、思いがけない発見があるものです。
③では各自の関心にしたがって、卒業論文の執筆を目指した研究発表をします。ここでは①や②を通じて培ったスキルが役に立つはずです。

これ以外にも、年2回、春と秋に日本近世史ゼミと合同で学外実習を行っています。普段は2泊3日で県外まで足を伸ばし、史跡や博物館を見学しますが、この2~3年はコロナ対策のために県内日帰りです。ちなみに今年度の前期は朽木方面(高島市)を予定しています。

今年度のゼミは始まったばかりですので、まだまだぎこちない雰囲気ですが、これから切磋琢磨していくなかで、息の合った“ONE TEAM”になっていくことを期待しています。(高木)

 

ゼミの様子

学外実習の様子

学外実習で古文書見学