環琵琶湖文化論実習3班

安土城考古学博物館の見学

伊吹山文化資料館での縄編み近江上布伝統産業会館での機織り体験今年はコロナの影響で1回生の必修科目である「環琵琶湖文化論実習」の実習を11月15日と11月21・22日の2回に分けて行いました。

3班は「滋賀県のミュージアムを訪れる」というテーマで、安土城考古博物館、桑実寺、ヤンマーミュージアム、伊吹山文化資料館、近江上布伝統産業会館、ボーダーレス・アートミュージアムNO-MA、西堀榮三郎記念探検の殿堂を訪れました。各館で学芸員や館員の方に、館の設立の趣旨や展示・運営をめぐる熱のこもったお話を伺うことができました。ミュージアムについてだけでなく、仕事にいかに向き合い課題に取り組んでいくかという姿勢についても教えていただき、学生たちには大きな刺激になったことと思います。お話してくださった皆様、ありがとうございました。

この後は実習の報告書を仕上げることが課題となります。1回生、引き続きがんばってください。(亀井若菜)

写真1 安土城考古博物館にて

写真2 伊吹山文化資料館にて縄編みを指導いただく

写真3 近江上布伝統産業会館にて機織り


人間文化セミナーを開催しました

2011人間文化セミナー

去る11月25日に人間文化セミナーを開催しました。(例年は学外の方もご参加いただけますが、本年はコロナウィルス対策の関係で学内限定となりました。)

 

今年は夫馬進先生(京都大学名誉教授)をお招きし、「中国、朝鮮に伝えられた江戸期日本の新医学情報」と題してご講演いただきました。

朝鮮から清に派遣された燕行使朴趾源が教えられた、日本で出版された『小児経験方』、および西洋の『収露方』が一体何なのかについて、江戸期日本の医学の状況、および東アジア各国の学術の状況と交流を踏まえてのご推測をお話しいただきました。

 

『朝鮮燕行使と朝鮮通信使』(名古屋大学出版会、2015年)で示された東アジア3国(朝鮮、日本、中国)の学術の状況を、新たに医学の状況から探るご講演内容は大変刺激的でした。

はじめて医学史に関する話を聞く学生がほとんどでしたが、コロナウィルスの流行の中、医学史に関わる内容は興味深く受け止められたようです。

(木村 可奈子)


【研究分野紹介】東アジア国際関係史

中山道と朝鮮人街道の分岐点近江八幡市 朝鮮人街道彦根市 江国寺

望湖堂跡から琵琶湖を臨む今年4月から新たに「交流」分野の教員となりました木村可奈子と申します。「交流」といっても、様々な研究の切り口がありますが、わたしは歴史学の手法、つまり過去の史料をもとに、東アジアでどのような国際関係が築かれたのかを研究しています。主に対象としているのは、16-18世紀の中国、朝鮮半島、日本、琉球、タイといった地域の関係です。

移動が容易になった現代に比べ、それ以前の時代はあまり国際交流というものはなかったのではないか、と思われるかもしれません。ですが実際には、現代の我々が想像するよりも多様な国際交流が歴史上存在しました。

滋賀県も様々な国際交流の舞台となりました。朝鮮通信使が滋賀県の中山道、朝鮮人街道を通ったことはよく知られています。朝鮮通信使と比べあまり知られていませんが、琉球の謝恩使・慶賀使も中山道、東海道を通って滋賀県を通過しています。

われわれの身近にも使節の足跡がいろいろ残っています。いったいどんな交流があったのか、自分で調べてみたくありませんか?(木村可奈子)

写真1 中山道と朝鮮人街道の分岐点、野洲市行畑

写真2 近江八幡市の朝鮮人街道

写真3 通信使の写字官・金義信の書いた江國寺(彦根市)の扁額

写真4 摺針峠(彦根市)にあった茶屋・望湖堂跡から琵琶湖を眺める。望湖堂では朝鮮使節、琉球使節ともに一休みし、詩や書を書いた。


東ゼミ・高木ゼ合同学外実習(塩津・菅浦)

塩津港跡菅浦1菅浦集落

11月19日(木)に東ゼミ・高木ゼミ合同で学外実習に行ってきました。中世・近世における琵琶湖の重要港湾である塩津の跡地、そして著名な中世惣村の故地菅浦を見学しました。

お昼には初めての鮒ずしもいただくことができました(多くの学生も初体験だったようです)。うわさ通り、なかなか独特のお味でした…。

コロナ禍の影響で、県内・日帰りというコンパクトな実習となりましたが、とても充実した実習を行うことができたのではないかと思います。

(高木純一)


環琵琶湖文化論実習

西国第三十二番札所・観音正寺六角氏の居城・観音寺城跡京極氏の居館・京極氏館跡

先月、1回生授業「環琵琶湖文化論実習」にて、学外実習を行いました。この授業は、毎年、1回生が3つの班に分かれ、各班の実習テーマごとに事前学習し、実際に現地を訪れながらフィールドワークを行っています。

 

私が担当した班は『寺院・城・街道からみる地域文化』というテーマのもと、佐々木六角氏・京極氏の拠点があった近江八幡市・米原市の名所・旧跡をまわりました。地元の方のお話に耳を傾けながらメモを取ったり、質問をしたり、あるいは現地で写真を撮ったりしながら、楽しそうにフィールドワークを体験していた1回生の姿が印象的でした。

 

最後に、今回の実習にご協力いただいたみなさま、誠にありがとうございました。そして、1回生のみなさん、おつかれさまでした(石川慎治)。

 

 

【写真1】 西国第三十二番札所・観音正寺でのフィールドワーク(近江八幡市)

【写真2】 六角氏の居城・観音寺城跡でのフィールドワーク(近江八幡市)

【写真3】 京極氏の居館・京極氏館跡でのフィールドワーク(米原市)