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国立民族学博物館「フォルモサ∞アート―台湾の原住民芸術の現在」の見学

 2回生「地域文化演習Ⅰ」の文化人類学系ゼミでは、今学期、台湾の歴史と文化について学んでいます。2025年12月半ば、国立民族学博物館で開催されていた企画展、「フォルモサ∞アート―台湾の原住民芸術の現在」と常設展示を見に行きました。台湾のオーストロネシア系先住民族は、中国王朝、日本、中華民国による植民地主義的な統治を受けてきました。1990年代から「原住民芸術」というジャンルが生まれ、集団的な記憶を題材にした作品が発表されています。中でもシキ・スフィン(アミ族)が制作した、高砂義勇隊や台湾籍の兵士を題材とした彫刻作品の苦悩の表現は、重く心に響きました。学生たちは、事前に台湾の歴史や文化を学んだからこそ、アート作品のメッセージを深く受け止められたようです。(横田祥子)
                                         

【写真1】「フォルモサ∞アート」企画展

【写真2】オセアニア展示コーナーにて

【写真3】中国・チワン族の復元された家屋にて


京都の「耳塚」見学(東アジア国際関係史プレゼミ)

 11月21日の全学休講日を借り、東アジア国際関係史プレゼミでは京都東山の耳塚を見学しました。いわゆる「耳塚」とは、豊臣秀吉の朝鮮出兵(最近は日中韓共通で「壬辰戦争」という用語が使われています)の際、戦功を確認するために斬り取られて運ばれた朝鮮人たちの「鼻」を埋めたお墓です。日本各地の大名家に伝来する「鼻請取朱印状」や朝鮮側の諸記録が示すように、もともとは「鼻」が埋められたお墓なのですが、後世に誤伝されて「耳塚」という名称となってしまったものです。
 今年度後期の東アジア国際関係史プレゼミ授業では、壬辰戦争の際に日本に連行された姜沆の捕虜生活中の記録である『看羊録』を講読しています。『看羊録』の中には、京都の東山に耳塚が造られた経緯が記されており、直接「耳塚」を目にすることで史料が示している壬辰戦争の歴史をより深く考え直す機会になりました。
 また、耳塚が建てられている場所は、もともと文禄4年(1595)に秀吉が大仏を安置するために創建した方広寺(建立当時は「大仏殿」と呼ばれました)の入り口に当たります。秀吉は死を目前にして自身の神格化を目指しており、大仏の鎮守もその意図と深くかかわっていました。これからみれば、方広寺の門前に耳塚が建てられた理由は、自身の武勇が異国に振るわれたことを誇示するためであったと考えられます。
 耳塚に続き、秀吉を祭る豊国神社(豊臣家滅亡後に廃祀されたが、明治時代に再建)と、方広寺の址に残っている「国家安康の鐘」も見学しました。この鐘は、「国家安康」「君臣豊楽」という銘文が徳川家康を祟るものとされ、豊臣家を滅亡に至らせた「大坂の陣」開戦の契機となった有名なものです。
 いつもたくさんの観光客が訪れて人山を築いている京都は、朝からにぎやかな雰囲気でした。その中で地図を手にして、また耳塚の関係資料を目にしながら日朝関係の歴史を顧みる今回のフィールドワークは、少し異色でありながらも楽しくて有益な経験であったと思います。(李晐鎮)
                                  

【写真1】耳塚見学

【写真2】豊国神社の鳥居にて

【写真3】「国家安康の鐘」の銘文


2025年度後期の地域文化基礎演習(萩原担当分)を実施しました

 11月28日(金)および12月19日(金)に、1回生を対象とした地域文化基礎演習を実施しました。この科目は、1年次の早い段階で地域文化学科の学びを知る機会として、後期に実施する学科必修科目です。13名の学科教員が持ち回りで担当しており、今回は地域計画学を専門とする萩原が、2コマ(180分)を担当しました。
 授業の内訳としては、前半(1コマ目)に、座学として県大八坂キャンパスを事例に地域計画学の基本を学び、後半(2コマ目)に、本学キャンパスの魅力を、学生目線でまとめ上げる個人ワークに取り組みました。2025年は滋賀県立大学が開学30周年の記念の年です。本学のシンボルである「えんぴつ塔」をはじめとする個性豊かな建築群は、在学生のみならず、卒業生や地域住民にとってもかけがえのない存在です。学生たちは、授業を通じて大学設立に至る経緯も学びました。八坂キャンパスの用地はもともと広大な農地であったこと、さらにはキャンパス造成においては生物多様性にも配慮し、現在の独特なキャンパス景観が育まれていることを再確認しました。(萩原和)
                                         

【写真1】地域文化基礎演習の様子

【写真2】地域文化基礎演習で使用したスライドの一部

【写真3】キャンパスの景観資源を活用した記念グッズの一例