大垣市郷土館所蔵朝鮮軕資料の調査

交流系プレゼミの学生と民俗学が御専門の市川秀之先生とともに、大垣市郷土館が所蔵する朝鮮軕(やま)関係資料を調査させていただきました。

 

朝鮮通信使が滋賀県を通過したことは県内では知られていますが、彦根を発った通信使が次に宿泊するのは大垣でした。華やかな異国の使節の行列は大垣の人々の関心も集め、江戸時代から行われている大垣祭では竹島町が朝鮮通信使行列を模した練り物を行っていました。明治になってから廃止されたこの軕の関係品は、現在大垣市郷土館に寄託されています。

 

今回は関連資料を計測・撮影させていただきました。学生にとってはこのような調査は初めてで、貴重な経験となりました。朝鮮通信使関連の展覧会などで紹介されよく知られている本資料ですが、現物や残された絵画資料を見、通信使の行列に対する当時の人々の関心の高さを改めて実感できました。貴重な調査の機会をくださりました大垣市郷土館早野館長に御礼申し上げます。
調査後には全昌寺(通信使三使の宿泊場所)や大垣宿本陣、朝鮮軕を出していた竹島町をめぐりました。(木村)

 

(写真1)朝鮮山車関係資料を計測

(写真2)竹島町榊軕軕蔵。朝鮮軕が廃止されたのち、榊軕となった。