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日本美術史のゼミで、2泊3日の学外実習に行きました

 日本美術史のゼミで、10月30日から11月1日まで学外実習に行きました。貸し切りバスで、岐阜県美術館、浜松市秋野不矩美術館、静岡県立美術館、豊田市美術館、徳川美術館に行き、展覧会を見ました。

 岐阜県美術館では過去のゼミ生が卒論のテーマにした山本芳翠の「浦島」を、静岡県立美術館では現ゼミ生が卒論で取り組んでいる藤田嗣治の「アッツ島玉砕」を、皆で意見を述べ合いながら見ることができました。日頃図版でしか見られない絵の大きさや質感、筆のタッチなどを直接感じ取ることができ、新たな疑問も生まれました。

 静岡では名所として古来絵によく描かれてきた三保の松原へ。ゼミ生の一人が研究対象にしている新版画の画家、川瀬巴水も「三保の松原」を描いています。巴水が描いた「三保の松原」は、どの地点から見た景色なのか、現地で議論になり、その地点をマップで検索して推測し、バスの運転手さんにも協力していただき、巴水がその景色を見たであろう場所に行ったところ、絵とほぼ同じ景色を確認することができました。現地に行ってこそ絵の理解が深まることを実感できた実習となりました。(亀井)

【写真1】秋野不矩美術館の前で

 

【写真2】三保の松原にて


卒論中間報告会を行いました

 10月29日に3つの会場に別れて、卒論中間報告会を行いました。
 1人の持ち時間は10分。短時間で卒業論文の構想、現在の進捗状況、これからの課題について説明します。みんな、張り切って報告してくれました。矢のように飛んでくる質問にも、上手に答えていましたよ。
 今年度の卒業論文も、期待できそうです。指導教員一同、時には一緒に悩み、時には共に楽しみながら、ゼミ生の論文執筆に伴走していきます。
 学生生活最後の総決算。1月の提出まで、しっかりと卒論執筆に取り組んでくださいね。(京樂)

【写真1】卒論の要旨を発表

 

【写真2】中間報告会 第一会場

 


9月から東アジア国際関係史を担当する李晐鎮(イヘジン)と申します

 はじめまして。9月1日付で地域文化学科に着任し、東アジア国際関係史の分野を担当する李晐鎮と申します。韓国の大田市出身で、大学時代からはソウルで過ごしました。また、2015年から2022年の1月まで京都大学に留学した経験を持っています。

 専攻は近世日朝関係史です。具体的には朝鮮通信使や日朝貿易、そして近世日朝関係における対馬藩の外交面での役割などに関心を持ち、研究しています。韓国の大学では、日朝関係史の領域にとどまらず、東アジア世界全般の外交・交流史に関する研究を進めてきました。

 対外関係史の研究において最も重要なのは、「均衡的な見方」であると思います。一方の史料のみでは、対外関係史の全体像を把握し難いため、各国・各主体が残した様々な史料を比較・対照する作業が求められます。また、国家史の領域にとどまらず、前近代の東アジア世界に存在した様々な民族・地域集団の立場にも目を向ける必要があると思います。漢文も、候文も、まだ十分な力量を持っているとはいえませんが、様々な史料を熱心に読むことで、地域文化学科の皆様とともに東アジアの対外関係史が有する立体性を感じたいです。

 また、「百聞は一見に如かず」という言葉のように、歴史学という学問には、フィールドワークを通じて得られる様々な経験も大事だと思います。機会があれば日本を含めた東アジアの各地を皆様とともに見学し、現地の文化や対外関係の歴史像を考えてみたいです。

 教育や研究の面で未だ足りない部分も多いと思いますが、皆様のご期待にお応えできるよう頑張っていきたいと思います。これからよろしくお願いいたします。(李)

【写真1】韓国・東国大学の<人文キャンプ>で、対馬市万松院の三具足について案内

 

【写真2】韓国・東国大学の<人文遊覧団>で、順天倭城を見学(なぜか変なポーズになっている)

 

【写真3】韓国・牙山市の顕忠祠(李舜臣の祠堂)が主催した教員研修プログラムで、「日本の戦国時代と豊臣秀吉の朝鮮侵略」という主題で講義