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建造物の調査実習

 7月上旬、「地域文化演習Ⅱ」(3回生対象科目)と「地域文化遺産調査・情報論」(大学院生対象科目)において、建造物の調査実習を2日連続で行いました。彦根市内の寺院、八坂山了徳寺・本堂(写真1)が今回の調査対象です。この本堂は、昭和4年(1929)の近代建築ですが、主要部材はすべてケヤキを用い、内・外陣境にある欄間には立派な彫刻が施されています(写真2)。

 調査当日は本堂の平面図(間取り)を作成するために、参加者で分担しながら記録・計測・写真撮影を、両日ともに行いました(写真3・4)。今回、調査できなかった箇所がありましたので、次回調査で残りの作業を終わらせ、調査での記録をもとに、今後、パソコンで作図をする予定です。

 最後に、了徳寺の三浦住職には調査実習にご協力いただき、誠にありがとうございました(写真5)。また、次回調査もよろしくお願いいたします。(石川)

【写真1】八坂山了徳寺・本堂

【写真2】:内・外陣境の欄間

【写真3】実測調査風景1

【写真4】実測調査風景2

【写真5】調査終了後の集合写真


文化財修理工事の現場見学

 6月下旬、「地域文化遺産調査・情報論」(大学院生対象科目)において、比叡山延暦寺・根本中堂の修理工事現場を見学しました(写真1)。今回は、滋賀県文化財保護課の清水一徳さん(本学環境科学部卒業生)にご案内いただき、修理工事中の調査などでわかった知見をご説明いただきました(写真2)。文化財保護行政のやりがいや大変さなどもお話しいただき、参加の院生・学部生はとても貴重な体験をすることができました。

 最後に、比叡山延暦寺様、滋賀県文化財保護課様には本学の大学院講義にご協力いただき、誠にありがとうございました(写真3)。(石川)                                                                       
                                                                                                                                 
                                                                                                                           

【写真1】比叡山延暦寺・根本中堂の修理現場

【写真2】修理工事現場による講義風景

【写真3】見学終了後、清水さんを囲んでの集合写真


ひこね考古学ミーティング2025が開催されました

 6月22日、滋賀県立大学と彦根市が共同で企画する「ひこね考古学ミーティング2025」が開催されました。ひこね考古学ミーティングは、大学と地域が一体となって彦根市内のさまざまな文化財を学び合い、それらを次世代へ守り伝えていくためのイベントです。第3回となる今回は、毎年、地域文化学科 佐藤・金研究室(考古学)で調査している荒神山古墳群A-1号墳の発掘成果報告や、近江楽座「おとくらプロジェクト」が取り組んでいる古民家活用の活動報告に加えて、地元の彦根東高校GS部地学班の高校生からは藍鉄鉱(らんてっこう)という鉱物の生成条件に関する本格的な研究発表もありました。私も、福満遺跡で出土した「子持勾玉」という少し変わった古墳時代の出土品についてお話をさせていただきました。

 高校生や大学生の取り組みを紹介しつつ、一般市民の方々と意見を交換しながら文化財への学びを深める、たいへん有意義な催しとなりました。(金宇大)

【写真1】学生による発掘成果発表

【写真2】展示会場の様子

【写真3】展示中の福満遺跡出土子持勾玉と実測図