ブログ

滋賀県の物語の舞台を旅してきました(環琵琶湖文化論実習3班)

滋賀県には、たくさんの物語があります。そうした物語は、滋賀県で起こった歴史的事実や、滋賀県に残されている数々の文化遺産に触発される形で生まれています。そこで、1回生向けの必修授業である「環琵琶湖文化論実習」の3班では、「滋賀県の物語を旅する――事実と虚構の共生」と題したフィールドワークを実施しました。

 

本授業では、事前学習で各作品を読み込んだあと、その作品の舞台になった場所を訪れるという方法を採用しました。宮島未奈氏の『成瀬は天下を取りにいく』、『成瀬は信じた道をいく』については、大津の観光に焦点を当て、実際にミシガンクルーズに参加してみました(図1)。今村翔吾氏の『塞王の楯』については、穴太衆の石垣、国友鉄砲、京極高次に注目し、大津市坂本、長浜市国友町、大津市歴史博物館(図2)を回りました。特に国友鉄砲については、専門家である太田浩司氏にレクチャーしていただきました(図3)。井上靖氏の『星と祭』については、渡岸寺観音堂の十一面観音や文学碑を調査したうえで、「『星と祭』復刊プロジェクト」に取り組んだ出版社である能美舎がある丘峰喫茶店で、観音ガールこと對島佳菜子氏にご講演いただきました(図4)。その他にも、『八本目の槍』(図5)、『街道をゆく』、『光る君へ』(図6)、『けいおん!』、『るろうに剣心』などの作品を取り上げました。

 

学生たちは、熱心に作品を読み込み、作品に登場する場所を訪れることで、フィクションと歴史的事実の関係について様々なことを考えたことと思います。こうした調査ができましたのも、訪問先の地域の方々の助けがあったからこそであります。この場を借りて、御礼申し上げます。ありがとうございました。(櫻井悟史)

 

(図1)ミシガンクルーズに参加する学生たち

(図2)大津市歴史博物館で京極高次についてレクチャーを受ける学生たち

(図3)国友鉄砲について太田氏からレクチャーを受ける学生たち

(図4)丘峰喫茶店で對島氏の講演を熱心に聞く学生たち

(図5)『八本目の槍』の聖地のひとつ賤ケ岳にて

 

(図6)『光る君へ』の聖地のひとつ石山寺にて


環琵琶湖文化論実習2班「栗東市文化財保存活用地域計画による文化財の保存・活用とまちづくり」

本学科1回生の必修授業である環琵琶湖文化論実習の2班は、「栗東市文化財保存活用地域計画による文化財の保存・活用とまちづくり」というテーマで、栗東市内をフィールドに、2泊3日の現地実習(8/6-8/8)を行いました。

 

実習1・2日目は、事前に調べた栗東市内の文化財をめぐり、地元の方にお話を聞かせていただきながら、文化財の保存・活用の実態を学習しました(写真1~3)。実習3日目は、市内の歴史ある寺院を舞台に、フィールドワークを行いました。

 

➀ 五輪塔と呼ばれる石塔の実測(写真4)、➁ 石塔に書かれている文字を写し取る拓本(写真5)、➂ 本堂の間取りを実測(写真6)、を3つのグループに分かれて作業を行いました。初めての経験ということもあり、最初は担当の作業に戸惑っているようでしたが、しばらくすると、一心不乱に作業に取り組む姿をあちこちで見かけるようになりました。1回生にとって、良い体験になったと思います。

 

このあとは、現地実習での成果を各自整理し、10月からの授業で報告書作りを行う予定です。

 

最後に、今回の現地実習にあたり、栗東市教育委員会様、各訪問先のみなさまにはいろいろお世話になりました。どうもありがとうございました(石川慎治)。

 

写真1:大角家住宅での集合写真(実習1日目)

写真2:小槻大社での実習(実習2日目)

写真3:大野神社での実習(実習2日目)

写真4:実習3日目のフィールドワーク(石造物調査)

写真5:実習3日目のフィールドワーク(拓本調査)

写真6:実習3日目のフィールドワーク(建造物調査)


8月6日~8日に1回生の必修科目「環琵琶湖文化論実習」で、2泊3日の実習に行きました。

この科目では1回生を3つの班に分け、班毎に授業を行い、実習に行きます。1班は、「滋賀県の近代を探る」というテーマで、近代の建造物や建築、鉄道の展示などを見てまわりました。

 

1日目は、琵琶湖の水を京都まで導いている琵琶湖疏水を、京都の蹴上と大津で見ました。南禅寺の水路閣から疏水沿いを歩き、インクラインを経て、疏水記念館へ。猛暑の中でしたが、疏水の全体像を把握することができました。午後は大津市歴史博物館で学芸員の方から滋賀県の鉄道の変遷に関する解説を伺い、湖西線の展示を見学しました。2日目は、近江八幡のヴォーリズの建築を近江兄弟社の方のご協力を得てまわりました。結核の療養所であるツッカーハウスの病室は明るい空間で、ヴォーリズの結核患者への思いが伝わってきました。3日目は、滋賀県平和祈念館などを訪れ戦争についても学び、午後は彦根のスミス記念堂で保存運動やその理念についてお話を伺うことができました。

 

滋賀県の「近代」という時代を実感できた3日間、猛暑の中でも積極的に動き学びを深めることができたと思います。ご協力くださった地域の皆さま、ありがとうございました。(亀井若菜)

 

写真1 水路閣にて

写真2 インクラインにて

写真3 ツッカーハウスにて