インタビュー:安土城発掘調査の参加学生から
NHKの人気番組であるブラタモリ、先月のテーマは特別史跡安土城でした。滋賀県自慢の名城、安土城については、まさにいま、整備のための「令和の大発掘」が滋賀県によって行われています。この発掘調査は、石垣に取り込まれた石仏や、五輪塔などの石造物を発見する重要な機会であるため、地域文化学科考古学専攻の学生も石造物調査プロジェクトの一環として発掘調査に参加させていただきました。
今回は参加学生宮川真聖さん、吉田実華さん(修士2回)、中村優月さん(学部4回生)のインタビューを掲載させていただきます。
Q.調査に参加しての感想は?
宮川:考古学では個人に迫ることが難しいのですが、安土城は信長という存在に肉迫できる遺跡で、感動しました。
吉田:子供のころからあこがれてきた安土城の調査は感無量でした。
中村:特別史跡の調査に関われたこと自体がすごい経験でした。
Q.それぞれ城郭や城郭出土遺物の研究を専門としていますが、それぞれの専門分野からみて安土城はどう見えますか?
宮川:調査では土器がほとんど出ませんでした。私は土器を専門にしていますが、ここまで何も出ない城があるのかと思うほど、片付けが徹底していることに驚きました。
吉田:私は瓦の研究をしていますが、安土城の瓦は多くの人々が関わって製作していると考えています。こうした点に、安土城の求心性を感じました。
中村:私は城郭の門の研究をしていますが、安土城は門の構造や規模の規格化など、それまでにない規範を造り出しており、「城郭建築の到達点」ともいえる性格を持っていると考えています。様々な面で安土城のすごさを感じます。
三者三様に、安土城から多くのインスピレーションを得られたようです。石造物調査にご協力いただき、発掘調査への参加をご許可いただいた滋賀県文化財保護課さまには深く感謝申し上げます。(佐藤亜聖)
