滋賀県立大学に根を下ろす彦根りんご

 「社会調査士」、あるいは「地域調査士」の資格を取得するためには、「地域社会調査実習」という授業を必ず履修しなければなりません。この授業は、地域文化学科の塚本先生(地理学)と櫻井(社会学)で担当しております。2023年度は、彦根りんご(写真1)について調査し、報告書を作成しました。
 彦根りんごとは、滋賀県彦根市で栽培されていた和りんごの一種で、平安時代に中国から渡来したとされています。1955年頃に彦根りんごは途絶えたものの、地元の有志の方たちが、かつての彦根りんごに近いと思われる品種を、「平成の彦根りんご」として復活させました(『2023年度 地域社会調査実習報告書』参照)。それから約20年、地域の人たちの手によって彦根りんごは大事に作り続けられてきました。
 この調査のときに生まれたご縁がきっかけとなり、「彦根りんご保存会」会長の八木原俊長さんより、滋賀県立大学開学30周年(写真2)の記念に、彦根りんごの木を3本、滋賀県立大学に寄贈していただけることになりました(写真3、4)。そのうちの1本は、櫻井が接木したものでした(櫻井は最後の作業をしただけで、さまざまな下準備は八木原さんがしてくださいました)。彦根りんごを通して、滋賀県立大学に、ひいては滋賀県に根を張ることが出来たような気になりました。八木原さん、ありがとうございました。(櫻井悟史)

※写真は許諾を得た上で掲載しています。

【写真1】彦根りんご
芹川農園にある彦根りんごの木。彦根りんごが鈴なりになっています。

【写真2】彦根りんごで作ったシードル
滋賀県立大学30周年記念式典で多くの方に振る舞われました。

【写真3】滋賀県立大学の圃場に彦根りんごを植える八木原俊長さん(左)と井手慎司理事長(右)

【写真4】彦根りんごの贈呈式
左から柴田いづみさん(滋賀県立大学名誉教授)、八木原俊長さん(彦根りんご保存会会長)、井手慎司理事長、顔が隠れているのが櫻井