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地理学ゼミ 2022年度お取り寄せ

地理学ゼミでは、指導教員(塚本)が食べ物の産地の研究をしていることから、「希少または高価でなかなか食べられない名産品について、産地のことをしっかり勉強し、皆でお金を出し合って品物を取り寄せ、実際に食べてみる」という取り組みを毎年おこなっています。コロナ前は調理込みの実食会を開いていましたが、現在は加工品を取り寄せて各自持ち帰るというかたちにしています。ゼミ内コンペで決まったメニューは、メインディッシュが鹿児島県の『かごしま黒豚』、デザートが和歌山県の『有田(ありだ)みかん』です。

 

『かごしま黒豚』は、鹿児島県黒豚生産者協議会に加盟する養豚場が生産した豚、およびその肉のみが名乗ることを許されます(登録商標)。「バークシャー種」で、「肥育後期にさつまいもを10%~20%添加した飼料を60日以上」与えられ、「出荷日齢が(一般的な豚の1.2~1.5倍の)230日〜270日程度」でなければなりません。今回は養豚、食肉処理、加工、販売をすべておこなう会社から、角煮を取り寄せました。実際に食べると? ほろり、とろり。残ったタレは白米に・・・。

 

『有田(ありだ)みかん』は、ご存知のとおり温州みかんのトップブランドです。農家も王様気分かというと実は真逆で、トップだからこそ、その地位を守るため、スマート農業の導入といった技術革新を積極的に進めています。今回は有田みかんが丸ごと入ったゼリーを取り寄せました。水分の90%はみかん果汁です。実際に食べると? 「真夏にみかん」ならコレ! このことは、みかんだけでなく農業地域にとって非常に重要です(=加工の意義)。種明かしは、塚本担当の講義にて・・・。
(塚本礼仁)

 


写真1 黒豚チームの研究発表

 


写真2 有田みかんチームの研究発表

 


写真3 商品お披露目


大雪と地域文化学科

1・2月は大学にとって一年で一番忙しい時です。共通テスト、卒論提出、卒論試問、そして大学院入試と一般選抜入試。こんな時、最も気になるのは雪です。昨年は年末の災害レベルの大雪で、彦根市内は大変なことになってしまいました。共通テストや卒論提出日にあんな雪が降ったら、と思うと思わず背筋が冷えます。

 

そんな心配をくれる雪ですが、ふと人間文化学部棟の中庭に目をやると、黄色い歓声とともに、学生たちが雪遊びをしている姿が目に映りました。小さな子供のように、うんうん言いながら雪玉を転がし、耳をつけてウサギさん雪だるまを作っている風景に、先ほどまでの心配が溶解し、知らず笑みがこぼれました。

 

よく見るとわが学科の学生も雪遊びをしています。

?!五輪塔※1??石積み??移動式かまど※2??

思わずわが目を疑いました。まるで賽の河原ではないですか。奪衣婆※3でも走り出してきて、身ぐるみ剝がれそうです。

しかしよく見ると、これがなかなかの出来なんです。五輪塔などはこのまま石にしたら文化財にしてしまいそうです。こうした遊びの端々に日頃の関心が表出するのがわが学科の良いところなのだろう、と一人納得した一日でした。

 

※1 五輪塔(ごりんとう)。石でできた仏塔。中世には死者供養のためにたくさん建てられた。

※2 かまど。作り付けのカマドではなく土で作った移動式かまどは、古墳時代に日本に伝えられ、祭祀用のものとして使われた。

※3 奪衣婆(だつえばあ)。三途の川で待ち受ける老女の鬼。亡者の着物を剝いでその重さで罪の重さをはかる。

 


映画「変身 Metamorphosis」上映会

1月22日に映画「変身 Metamorphosis」の上映会を開催しました。この映画は半世紀の間に日米で起きた3つの原発事故に関するドキュメンタリー映画です。日曜日にもかかわらず地域の方々を中心に多くの参加者が集まり、映画に関する意見や感想の交換を行いました。また、福島から京都に避難している方をゲスト講師としてお招きし、貴重なお話を聞くことができました。(横田)

 

図らずも日本の原発政策の転換期と開催日が合致し、世間的にも原発への関心が高まっている中での開催となりました。準備では苦労するところも多々ありましたが非常に有意義なイベントになったと思います。(地域文化学科3回生 櫻木)

 

上映会を契機に自分で様々調べることや鑑賞後の意見共有を通じて、日本が10数基抱える原発と今後も長く生きていく若者こそが関心を寄せるべき問題であると痛感させられました。本当に価値のある経験になったと思います。(地域文化学科3回生 藤田)

 


写真1枚目:上映会のポスター

 


写真2枚目:上映会の様子