環琵琶湖文化論実習第1班
環琵琶湖文化論実習第1班は『地域文化財の保存・活用と地域の活性化』をテーマに 人口減少の進む湖北の中山間地域を訪ねました。湖北に限らず、中山間地域では人口減少に伴う地域社会の衰退が、集落機能の衰退を招き、地域文化財の保存はおろか集落の維持が危ぶまれる状況にあります。
この実習の目的は湖北に点在する地域文化財の来歴を明らかにし、その現状を把握し、その地域文化財に相応しい保存・活用のあり方を模索し、地域の活性化に貢献する可能性を探ることにあります。
1日目は米原市の姉川上流域に位置する東草野の重要文化的景観を訪れ、景観を構成する建造物などを見ながら臨地講義をおこないました。
2日目は湖北に点在する十一面観音などを見学しながら、岐阜県揖斐郡揖斐川町諸家の集落を訪れました。諸家は峠を越えて東草野の集落と密接なつながりがあり、相互に共通するノリクラと呼ばれる特徴的な蔵などについて調査しました。
3日目は長浜市北部の高時川流域の中山間地域や、高島市の海津・西浜の重要文化的景観を訪れ、臨地講義をおこないました。
普段あまり見慣れていない生活文化に接した学生が多く、感銘を受けていました。とくに、保存活用されている民家の内部や、蔵の内部を見せていただくなど、地元の方の予想外にオープンな対応に学生が戸惑う場面もありました。(濱崎一志)
写真上 岐阜県揖斐川町諸家のノリクラ