大雪と地域文化学科

1・2月は大学にとって一年で一番忙しい時です。共通テスト、卒論提出、卒論試問、そして大学院入試と一般選抜入試。こんな時、最も気になるのは雪です。昨年は年末の災害レベルの大雪で、彦根市内は大変なことになってしまいました。共通テストや卒論提出日にあんな雪が降ったら、と思うと思わず背筋が冷えます。

 

そんな心配をくれる雪ですが、ふと人間文化学部棟の中庭に目をやると、黄色い歓声とともに、学生たちが雪遊びをしている姿が目に映りました。小さな子供のように、うんうん言いながら雪玉を転がし、耳をつけてウサギさん雪だるまを作っている風景に、先ほどまでの心配が溶解し、知らず笑みがこぼれました。

 

よく見るとわが学科の学生も雪遊びをしています。

?!五輪塔※1??石積み??移動式かまど※2??

思わずわが目を疑いました。まるで賽の河原ではないですか。奪衣婆※3でも走り出してきて、身ぐるみ剝がれそうです。

しかしよく見ると、これがなかなかの出来なんです。五輪塔などはこのまま石にしたら文化財にしてしまいそうです。こうした遊びの端々に日頃の関心が表出するのがわが学科の良いところなのだろう、と一人納得した一日でした。

 

※1 五輪塔(ごりんとう)。石でできた仏塔。中世には死者供養のためにたくさん建てられた。

※2 かまど。作り付けのカマドではなく土で作った移動式かまどは、古墳時代に日本に伝えられ、祭祀用のものとして使われた。

※3 奪衣婆(だつえばあ)。三途の川で待ち受ける老女の鬼。亡者の着物を剝いでその重さで罪の重さをはかる。