2021年6月12日

ハンディプリンター

今回は「ハンディープリンター」というプロダクトデザインの課題を行いました。

道具デザイン1の演習を履修したのは2年生26名でした。

 

まだ市場にはそれほど製品がないジャンルの製品であること、自分の手で持ちながら使用感を検証できることなどの理由で、今回は課題に選定しました。

希望者は静岡県のダイワMT様にケミカルウッドを希望サイズにカットしていただき、それをベースに自分で削り、塗装し、仕上げました。

ケミカルウッドとは人工木材のことで、木目がないため非常に削りやすい試作用の材料です。

 

NCなどの機械もないので、手作業で削って行きます。

スプレーの使い方もままなりませんが、サーフェイサーから仕上げまで、慎重にスプレーを重ねていきます。

学生は皆、初めて触るケミカルウッドでしたが、時間をかけて制作して行いくうちにとても愛着がわいたそうです。

その愛着は仕上がりの丁寧さにも見て取れます。

学生からのコメント

自分でも納得いく作品が作れてとても満足しています。

初めて扱う素材で困ることも多々ありましたが、その分発見がいろいろとありました。

今回、木材とケミカルウッドを使ったのですが、ケミカルウッドは加工が容易でした。そのおかげで作業効率があがり、制作の幅が広がりました。本当に感謝しています。

木材と比較し、削りやすさに感動すら覚えました。簡単に、とても綺麗に加工できてうれしかったです。

正直、ここまで綺麗にできるとは思っていませんでした。とても削りやすく、自分が目指す形の模型ができてとても嬉しく思います。

ダイワMT様には早く届けてくださりありがとうございました。傷もなく、サイズも完璧でとても作りやすかったです。本当にありがとうございました。

 

二年生前期とは思えない、素晴らしい作品ができました。

材料をご提供いただきましたダイワMT様ありがとうございました。https://www.daiwa-mt.co.jp/

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2021年3月6日

漆器のデザイン

道具デザイン演習2の課題で山中漆器のデザインに取り組みました。
山中漆器は石川県加賀市、日本一の漆器の産地です。
学生は模型を作って図面をひき、型紙を作り、それを山中漆器の木地師に送りアドバイスをいただきブラッシュアップ。
そして木地を作っていただき、拭き漆仕上げとしていただいたものです。
少しの線の違いが立体では大きな違いになります。
木地を作ってくれたのは、山中の工房なかじまで修行をしている卒業生の泉谷郁美さんです。
現役学生と卒業生、山中漆器のコラボレーション。
実際に販売まで行います。
『漆の器展』@KIKKAKEKKO
2021年 3/11(木)~4/11(日)
【住所】大津市大門通4-3
【営業日】水、木、金、土、日
【営業時間】11時〜17時
【定休日】月、火
【TEL】0775-09-1784
4/10(土)14:00〜15:00 泉谷郁美さんとトークショーします。
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ポスターデザイン 山本友香さん
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2020年12月25日

道具デザイン演習2「片付ける」

今年も、年末恒例の道具デザイン演習2秋田道夫先生の講評会が25日クリスマスの金曜日に行われました。
2020年のテーマ課題は「片付ける」です。
当日に向けて学生たちの本気さは並々ならぬものがあり、履修していない同級生も見に来ていましたが、彼女たちの成長ぶりを目の当たりにしたことでしょう。
「生活デザイン学科」らしいと評していただきましたが、私もプロダクトデザインの中心には誰もおらず、みな周辺に散らばった案が多かったと思います。
自分の技術で可能な範囲で考える思考力はデザインを考える上でとても大事だと思いますが、様々な物質に触れた経験が乏しい人が多くなってきたこと。
石で作りたいと学生が言ったものを石以外で作って、石の風格は出せない。そこを制限するより、やりたいことを思い切ってやってもらう方が良いと思い外注も認めました。そのことにより、作業労力に個人差は出たと思います。
しかし、秋田先生にも図解していただきましたが、そうやって、中心からかなり遠くに今まで見えなかったような羊が見えたこと。またその反対側に手作業で根性で作った羊が見れたこと。こういう幅のある作品が並んだことは学年全体に刺激を与えたと思いました。

赤い板は、武内さんの作品。ハンガー収納。

秋田賞は、武内さんと北澤さんが選ばれました。
他どれも甲乙つけがたい出来で、歴代屈指のレベルと感じました。

秋田先生 素晴らしいプレゼントありがとうございました。(目をつぶった写真しかなく申し訳ございません)

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2020年10月30日

道具デザイン演習2 ホイル紙を使ったデザイン

今年もヨシモリ株式会社様のご提供でメタリックな紙を使った課題をしました。

素材の特性を生かすということで、この紙であるからできることを考えてもらいました。

今年は、良い紙の提供が多く、綺麗な作品につながったのかもしれません。

そして、工作的な作品が少なく、量産も視野に入れた提案が多かったように思います。

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2020年9月2日

道具デザイン演習1 佐藤延弘 時を感じる

時を感じる
『ヒトとモノとをつなげる魅力的な感覚』

道具演習1の佐藤先生の最終講評会が行われました。

今回は、特定の用途を持たないもので心が動くものをバリエーション含め15個作るという課題。

商品としての完成度というよりは、その一歩手前でよい作品でありながら量産可能であるもの。

自分自身の感覚と向き合い、発見し、実験し、形にしなければならない課題でした。

見たことがあるものになってしまってはダメだし、かといって今までにないものを作ることも困難で、

限られた時間の中で魅力と感じたものを、自分なりに形にしてゆかなければならない困難さと格闘したことでしょう。

ろうそくを溶かして重ねた物体。使えないけど美しい。

ストローの組み合わせ、構成で作られたもの。

絵を描く際に使用したパレットを作品化したもの。

紙にしみ込むインクによるグラデーションの美しさを表現。

エポキシ樹脂のかたまりを空の色、月の色に見立てたもの。

モルタルの様々な表情に注目した作品。

コーヒーミルクポーションの形を転写したカラフルなもの。

もんじゃ焼きの土手から流れ出ることに着目したもの。

プラ板の自然な曲がり方に着目した作品。

机一枚につき一人の作品を並べてのプレゼンテーション。

簡易で優れたパッケージの中には木の棒にマーブリング。構成力が高い。

紙をちぎって固めたもの。ラムネのような色合いが素敵。

 

身の回りの何気なくも、豊かな発見から多くの作品が生み出されていました。

優秀作品には、佐藤先生より賞が送られました。選ばれたのは、水口久海さんと中谷華世さんです。

水口久海さんのシンプルなエポキシのカタマリは、用途もないけど、なぜか欲しくなる物体としての強さ、美しさが抜けていました。
 
もう一つ、中谷華世さんのもんじゃ焼きの土手がうまく作れないことに発想を得た作品は、様々な素材で土手を作り、そのU字型の枠に硬化する液体を流し込んだもの。着眼点とストーリーの組み合わせで高いオリジナリティを持っていました。
いつも素晴らしい景品をありがとうございます。
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