2011年3月卒業
公益財団法人 交通文化振興財団
学芸員として京都鉄道博物館の運営業務に携わっています。鉄道に関する資料収集や収蔵資料の整理、他館等への資料貸出のほか、質問への対応、展示制作や解説、日常的なメンテナンスなどなど…日々さまざまな仕事をしています。
入学時点では具体的な将来像はひとつも持っていなかったので、自分の適性を確認するべく、教員免許と学芸員資格の取得を目指すことにしました。講義の数は多かったですが、部活にも入り、いろんなアルバイトにチャレンジし、環濠のオシドリや通学経路のトビと戯れるなど、忙しくはありましたが自然いっぱいで豊かな時間を過ごしました。
展示解説のように「話す」仕事では、教育実習や学内外での論文発表の経験を生かせていると思いますし、展示制作や収蔵資料の整理では、もちろん学芸員資格取得に関する一連の講義・実習での経験をそのまま生かせています。
ただ何よりも、「個々の興味に合わせて、学べることがヨリドリミドリ!」な地域文化学科の環境のおかげで、物事の捉え方が広がり、多角的なアプローチを行う柔軟な発想力を養うことができたと、卒業して時間が経った今だからこそ思います。閃きと即応性が求められることも多い仕事のため、それが何よりも役立っています。
日々、鉄道に関する様々な質問を受けますが、ほとんどがとてもムツカシイご質問なので、基本的にしっかりお調べして、正確な言葉を選んでと、時間をかけて回答しています。NHKの名物ラジオ番組「子ども科学電話相談」のようなバッチリわかりやすく適切な回答ができるプロフェッショナルになることが、今の目標です。
将来のことを、まだ漠然としか考えられなくても大丈夫です。
ただ、どんなことでもいいので「知りたい」「学びたい」という意欲だけは持ち続けることを強くオススメします。
もうひとつ、卒業論文の諮問を担当して下さった先生が「あたまを豆腐のように柔らかく」とアドバイス下さったのが未だに印象的で、私は肝に銘じています。
受験のこと、将来への不安など、それぞれ考えることがたくさんあると思いますが、あたまがカチコチになってきたら、一息ついて、是非あたまが柔らかーくなるイメージをしてみてください。
心配なことがどれだけあっても、前を見ようとする限り、未来は案外明るいです。