2017年3月卒業

瀬戸口 敏史

長浜市役所 産業観光部商工振興課

瀬戸口 敏史

Q1. 仕事の内容を教えてください。

現在、長浜市役所の商工振興課の職員として、長浜市の中心市街地の活性化に携わる仕事をしています。
具体的には、滋賀県内でも一大観光地となっている「黒壁スクエア」周辺の地元商店街や事業者の方たちと連携し、地域課題の解決や魅力発信に取り組んでいます。
特に最近では、黒壁スクエアのすぐ近くを流れる河川「米川」を中心にまち歩きが楽しくなるよう力を入れて取り組んでいます。米川は市街地を流れる川でありながら、地下水が豊富に流れ込み水質が良く、真夏でも水が冷たいことや、鮎やサワガニなどの生物が豊富に生息していることから、水遊びや学びの体験ができる魅力的なスポットとして地域内外に認知してもらえるよう頑張っています(写真1・2)。

Q2. どんな大学生活を送りましたか。

高校までは運動部に所属していましたが、大学では音楽系のサークルに入り、今までやったことのない楽器に挑戦しました。当初、「手先の不器用な自分に楽器なんて・・・」という自信の無い思いもありましたが、のめり込んで練習したことで、それなりに上達することができました。サークル活動を通じて良い友人や先輩、後輩に出会うことができ、卒業して8年ほどが経った今でも、活動で得たものが貴重な財産となっています。
私の場合、学業で資格を取ったりはしませんでしたが、サークル活動、読書、友人との交流やアルバイトなど、自分がやりたいと思えることに時間を費やすことができ、充実した大学生活を送ることができたかと思います。

Q3. 地域文化学科で学んだことで現在活かされていることは何ですか。

3回生から入った社会学のゼミで、ゼミの先生が長浜市の伝統行事「長浜曳山まつり」の研究をされており、一緒にフィールドワークへ参加しました。
長浜曳山まつりでは、子どもが役者となって歌舞伎が披露されますが、まつりの何か月も前から行われる歌舞伎の稽古を初期から密着し、一人前の歌舞伎役者へと成長していく子どもたちの姿に感動したり、その子どもたちを支えながらまつりを作り上げていく地域の大人たちのエネルギーの凄さに驚かされたりしました。
また同時に、少子高齢化や人口流出により、まつりの担い手が不足しているなど、まつりを通して地域が抱える課題も目の当たりにし、地域の課題を肌で感じることの大切さを学びました。
こうした経験により、長浜市の課題解決に貢献できないかと強く考えるようになり、今の仕事の大きな原動力となっているかと思います。

Q4. 将来の目標を教えてください。

将来の目標は、幸せを感じて生きることです。
馬鹿げた目標に聞こえるかもしれませんが、自分が幸せであると感じることは、自分以外のことに気力や時間を注ぐ余裕が生まれ、結果としてより良いものを生み出すことに繋がると考えているからです。
一人の人間にできることは限られていますが、微力ながらも誰かの力となり、社会へ貢献できるような人間でありたいと思っています。

Q5. 地域文化学科を目指す高校生にメッセージをください。

現段階で、将来やりたいこと、なりたいことが明確に決まっていなくて不安な方も多いと思います。
恥ずかしながら私自身も「将来〇〇をやりたいから、この大学に入ってこんな勉強がしたい」といった明確な思いを持って入学したわけではありませんでしたが、地域文化学科では、幅広い学問を学べる機会があるので、今やりたいことが決まっていなくても、何か自分に興味があることに出会えると思います。
勉強に部活動と、高校生活は本当に忙しい毎日かと思いますが、時には自分に向き合ってあげる時間を設け、自分にとってモチベーションが上がることは何なのかを見つけ、自分の軸を大切にして進路を選んでほしいと思います。

写真1 「米川」でのイベントの様子

写真2 米川での取組について全国のワークショップで発表し、グランプリを受賞