ミニキッチンでの料理を楽しくするユニット追加家具の提案

竹内あかり

キッチンは、今も昔も暮らしに必要不可欠な存在として住宅に設けられているものであり「食」を支える重要な拠点である。しかし、一人暮らしの賃貸住宅のキッチンは、スペースが限られ不特定多数の利用を想定しているため、簡易的でどの物件も似たようなデザインのものを設置している場合が多い。そのため、コンロの数が少ない、作業スペースが狭いなど様々な不満を感じている人も多い。このようなキッチン環境は、一人暮らしの人が料理を楽しむことを妨げているのではないかと考えた。

そこで、一人暮らしの人が料理や食事を楽しめる環境を探ることを目的として、一人暮らし用キッチンや料理に関する調査と考察の後、料理をより楽しくするための新たなユニット家具の制作と提案を行う。また、一人暮らしのキッチン環境を見つめ直すことにより、料理をして食事をするという、豊かで健康的な生活を可能にしたいと考えた。なお本制作では、特にサイズの小さな横幅900mm程度のミニキッチンが設置されている場合での料理を想定して制作を行った。

一人暮らし用キッチンや料理に関する調査と分析から、最小限の機能のミニキッチンで料理を楽しんでもらうには①ミニキッチンで料理をしていて不便に思うことを解決する、②食事をするための場を整える、③作る場であるキッチンと食べる場である部屋に繋がりを持たせ、料理から食事までの流れをつくる、の3つが必要であると考えた。この3つの要素を踏まえて、制作物のコンセプトを「料理を作る環境と食べる環境を整える、ミニキッチンのためのユニット追加家具」とした。賃貸物件のキッチンを変えることは簡単ではないので、家具を追加するという誰もが実現可能な方法で、一人暮らし用ミニキッチンに関する悩みを解決すること目指した。