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河が担当する講義のレポート課題に取り組む際の、一般的な注意事項を参考までにアップします。
それぞれの講義の中で、課題を出すたびに提示します。
レポートは、後掲の「評価基準」や「レポートについて」をよく読んで作成すること。以下では、特に評価と関わる注意事項について掲げる。
レポートの細かい書式(一行文字数や一頁行数など)は一切指定しないが、文字数(もしくは400字詰原稿用紙で換算した枚数)だけは明記するように(レポートの冒頭か末尾に)。
指定字数(4000字)に満たない場合は、満たない度合いに応じて減点対象とする。字数超過は、余程のことがない限り減点対象にも加点対象にもしない(あくまで内容によって採点する)。
手書きでも、パソコンなどで入力したものを打ち出して提出しても、どちらでも構わないが、(当然のことだが)必ず自分で書く(入力する)こと。他人に書かせるなどの不正行為は絶対に行わないこと。不正を発見した場合は厳しく減点する。
後掲の「レポートについて」でも述べるように、レポート作成にあたっては、本、論文、インターネット上の情報などは、よく参照し、必要に応じて引用することが望ましいが、それらから丸写しして自分が書いた文章であるように装ってレポートを作成することは、
剽窃
という不正行為にあたるので、厳しく減点する。
レポートを採点する際の評価基準について例示する。成績評価自体は出席点などを加味して総合的に行う。また、実際に採点する際は、この基準を若干変更することがある。あくまで参考に。以下のような基準で採点されることを充分念頭においてレポートに取り組むように。
テーマ設定:レポートの課題に即したテーマを設定しているか(タイトルの付け方が適切か、導入部分でのテーマ設定が明確になされているか)20点 構成力:導入部分で立てられたテーマ設定にしたがって、本文がきちんと展開され、結論へとつながっているか。 20点 リサーチ力:論拠は充分か?論拠としたデータの信頼性は充分吟味されているか?論拠と、そこから導き出している結論に矛盾はないか?など。 20点 分析力・洞察力:何かを引き出し、何かをつかんでいるか? 20点 形式:字数制限を逸脱していないか?段落分けは適切か?誤字脱字はないか?注は適切か?引用の仕方は適切か?参考文献表は適切か?レポートにふさわしい文体と表現力で書かれているか?など 20点 (配点は100点満点の場合) 単なる感想文やエッセイ、本・論文の引き写しはレポートとは言えない。では、どのようなものをレポート課題として要求しているのか、ということを理解してもらうために、大きく内容面と形式面に分けて簡単に説明する。これもあくまで参考に。なお、図書館に行けば「レポートの書き方」の類の本がいくつもあると思うので、そうした図書も積極的に参照すること。 レポートで取り扱うテーマについてよく考える。関心を持ったテーマについて、展開できるだけの文献が見つからない場合は微修正したり、完全に変えたりしなければならないこともある。 自分が関心を持って取り組もうと思うテーマをある程度定めたら、それに関連のありそうな文献を探して読み込む(文献の探し方は別掲のとおり)。読み込むうちに、テーマが少しづつかわることは大いに結構。 複数の文献を読むと、ある事柄について、見解が分かれていたり、解釈が変遷したりしていることに気づくだろう。一つの文献だけに頼ると、そうしたことに気づかない結果になりやすいので、なるべく多くの文献にあたることが肝心。 その際、その文献(インターネット上の情報を含む)の信憑性を十分吟味し、信頼できるものだけを使うのが基本。ただし、信憑性の低いものについて、「このようなでたらめな見解もある」などとして例示する場合は別。 見つけた文献の要約や切り貼りがレポートだと勘違いしているようなレポートによくお目にかかるが、それだけではレポートとは言えない。 レポートのパターンはいくつかあり得るが、一つの例を簡単に示すと以下のような流れになろう。 【導入】レポートのテーマ、何を明らかにするのかを簡潔明快に述べる。 例)自分は講義で扱った△△△の問題について関心を持った。なぜなら○○○だからだ。そこで、△△△について、□□□という観点から検討を加えてみることで、◇◇◇を明らかにしたい。 【本論】導入で設定したテーマについて、具体的に論証していく。 例)△△△の問題については、AやBやCによる研究がなされている(注)。まず、基本的な事実関係について、これらの研究に依拠してまとめる。次に、ABCの間で見解の相違、争点となっている事柄、観点の違いなどがあれば整理してまとめ、自分の見解も述べる。 【結論】本論での検討結果を受けて、導入で設定したテーマについて、結論を書く。 以上のような検討結果、◎◎◎ということが明らかになったが、▲▲▲については明らかにできなかった。 タイトルも評価対象となるのでよく考えること。 助詞、接続詞などを適切に使う、句読点を適切に打つ、論理的まとまりごとに適切に段落を改める、など。そのために次の本の一読をすすめる。本多勝一『日本語の作文技術』講談社、2005年 レポートを作成するにあたって、文献を全く引用したり参照したりせずに書くことはあり得ない。事実や考え方について、何かの文献(インターネット情報を含む)を参照してレポートの本文を書いた場合は、その参照元を明確に示す必要がある。注はそれを示すために付ける。 その他に、本文中に入れると文章の流れが悪くなるような補足的な内容について、注を付けて注の中で説明するというように注を利用する方法もある。 レポートの末尾に必ず参照した図書や論文などの書誌情報を示す。注で直接示した文献等も再度ここで一覧にして示す。細かい形式は問わないが、以下に例示してイタリックで示したような基本情報は入れること。 単行書の場合(例) 韓洪九(高崎宗司、李尚珍訳)『韓洪九の韓国現代史』平凡社、2003年 編著者 翻訳者(翻訳書の場合) タイトル 出版社 発行年 雑誌収録論文の場合(例) 水野直樹「戦時期朝鮮における治安政策--「思想浄化工作」と大和塾を中心に」『歴史学研究』 777、2003年7月 単行書収録論文の場合(例) 金富子「植民地期・解放直後の朝鮮における公娼認識―女性の身体をめぐるナショナリズムと ジェンダー」岩崎稔他編著『継続する植民地主義―ジェンダー/民族/人種/階級』青弓社、2005年 Web上の情報の場合(例) 「『輿に乗る全奉準』の秘密とは」2006年9月13日付、朝鮮日報日本語Web版、 http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/09/13/20060913000028.html 最終更新日 2011/09/28
レポートについて(参考)
【内容面】
テーマを設定する
テーマに関する文献を読み込む
レポートを書く
【形式面】
レポートの表紙か冒頭に氏名、学部、学科、学籍番号、タイトルを明記する
論理的な文章を書く
注を付ける
参考文献一覧を付ける
著者 タイトル サブタイトル(あれば) 収録誌名
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著者 タイトル サブタイトル(あれば)
収録書編著者名 収録書名 サブタイトル(あれば) 出版社 発行年
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最終更新日 2012/01/26 |