Journal Club

公衆栄養学研究室では基礎栄養学研究室と合同で毎週（16:30～18:00)，最新の栄養学に関するトピックを中心としたジャーナルクラブ（抄読会）を開催しています。

 

【発表内容】
研究テーマに関連する論文を紹介します。分野の異なる人にも理解してもらえるよう、研究の背景から結果の解釈までをわかりやすく紹介します。

【発表形式】
A4で5~7枚程度のレジュメを作成し、皆の前でプレゼンをします（目安時間；発表60分，質疑30分）。論文PDFを担当発表日１週間前に全員に送ります。

【ジャーナルクラブをするメリット】

適切な論文を選ぶ練習になる

論文をきちんと読みこなす練習になる

人に説明することで自分の頭が整理される

広義の栄養学に関する最新の研究成果をメンバ全員で共有することができる

発表（and 質問）のトレーニングになる

【学生の感想】

修士２年A氏の場合

 論文選び（過去5年以内に発行，日本人以外が著者，インパクトファクターが高いなどいくつか条件がある），レジュメ作成，分かりやすい紹介の仕方，質問対策など本番に備えて結構することが多く，時間のかかる課題だった。4回生の時は1ヶ月前には紹介する論文を決めていたが，院生になってからはこれまでに見つけた論文を紹介すればよいかと思い，1ヶ月前にようやく探しはじめるといった感じであった。そんな状態で自分の研究内容である日本食についての先行研究を調べていた時は，日本人が書いた論文ばかり手元にあり，「日本人が著者の論文はジャーナルクラブで紹介できない。やばい。」となってしまった。その結果，一からジャーナルクラブの論文を検索し，本番直前は準備に時間を取られ研究どころではなくなってしまったことがある。
 ジャーナルクラブは自分の研究と関連する論文の紹介が目的ではあるが，研究とは分かれた1つの課題として捉え，研究と同時並行で進めないといけない。（これから取り組む皆さんは気を付けてください。）
 ジャーナルクラブの論文を選ぶ作業や紹介時の聞き手からの質問を通して，論文の結果を鵜呑みにしないことが大切であることを痛感した。方法（特にサンプル数，解析手法）が適切かを判断し，結果の図表と結果の文章に相違がないかを確認する癖はジャーナルクラブを通して身に付けることができたと感じる。相手の論文紹介時にも内容を追うだけでなく，批判的に聞くことを心掛けていた。ただし，紹介された論文は発表者が書いたものではないので，自身が質問する際には鋭い質問をするというよりかは，発表者に自分が捉えた内容と合っているかを確認する，教えてもらう聞き方をするように心掛けていた。相手の発表や質疑応答を見聞きすることで，自分の知識や発表，質疑応答に足りないスキルを学ぶことができた。(2022/03)

学部４年B氏の場合

 ここ公衆栄養学研究室は、どの研究室よりも英語の論文を読んでいると言う噂の研究室。
私は英語が苦手だが、この研究室の研究内容が面白そうだと思い入ることを決意。いざ入ると初日から英語の論文を読まされた。おっとこれは語弊があるな、読まさせて頂いた。月日は流れ、今日はジャーナルクラブ初日。
 ジャーナルクラブとは基礎栄養学研究室と合同で行っている、研究に参考になりそうな最新の英語論文を紹介する会である。担当者は事前にレジュメを作り、皆に配布する。初日は基礎研の〇〇さん。３個上の先輩だ。 ジャーナルクラブは16時半から始まるのだが、それまでに事前に渡されたレジュメをよく読んでおく。レジュメを一通り見たがうーーーんわからない、全然わからない。もう１ページ目からわからない。初めて聞く単語ばかりだ。そんなこんなでジャーナルクラブが始まった。なぜか発表しないこちらまで少し緊張してくる。レジュメに沿って論文の説明をされているが、やはり実際に〇〇さんの説明を聞いてもわからないことが山ほどある。そんな時は「質問いいですか？」と手を挙げる。この言葉はとても便利だ。この言葉で発表者は一旦説明を中断し、こちらの質問に耳を傾け答えてくれる。最初はどのタイミングで言おう、と迷うかもしれない。しかし迷う必要は無い。わからないまま進んでしまうのでは無く、わからないことがあったらすぐ聞くことが重要だからだ。特に４回生は院生と比べて知識が浅いので怖がらずにどんなことでもたくさん質問すると良い。そんなこんなで〇〇さんの発表が終わり、月日が流れ自分の番がやって来た。
 事前に今井先生から、準備は思ってるより時間がかかるから早めに取りかかるようにと念を押されていた。私は１ヶ月ちょい前から取り掛かったが、それでもギリギリで、質問対策にほとんどとりかかれずに本番を迎えてしまった。もっと早めに始めればよかったと思ったが時すでにお寿司、いや遅し（苦笑）。そんな反省を生かし、後期は取り組んだ。しかし、後期のジャーナルクラブは研究真っ只中で行われるため、前期よりも大変だった。前期よりも早めに準備しておくと絶対に良い。
 ジャーナルクラブでは自分の研究以外の知識を得ることができ、また論文を深く読む方法が身に付きます。みんなの前で発表するという良い機会にもなりました。ありがとうございました。(2022/03)

学部４年C氏の場合

10人以上を前に話すのでとても緊張します。でも、どんな質問が来るのか、どんな風に答えるのか練習できて、先輩方のプレゼンも見ることができるので勉強になります。また、1人で読んでいたら分からないことも、プレゼンや質問によって聞くことができて理解しやすくなります。1年間参加してみて、難しくて、準備も大変で緊張しましたが、卒論発表はもっと緊張するので、いきなり卒論発表ではなくて、ジャーナルクラブでプレゼンや文章の要約、質疑応答を練習できてとても良い機会でした。(2022/03)