山村集落の終わらせ方取扱説明書ー滋賀県米原市甲津原をケーススタディーとして一

高橋杏奈 Anna Takahashi

今日の日本において、高齢化や過疎化により発生する、山村集落を含めた「消滅危機にさらされている集落」の数が年々増加していることが問題として多く取り上げられている。その背景を踏まえ、本研究では、滋賀県米原市甲津原をケ-ススタディーに、予測できる、あらゆる山村集落の将来像から、「いずれなくなってしまう」という状況を仮定し、その状況においても、良い形で集落が最後の
姿を迎えることができるための「山村集落の終わらせ方」を提案する。その提案方法として、集落が最後へ向かうまでの、より詳しい計画を立てるため、2020年から2100年の「甲津原取扱説明書」を作成する。現在も村の和を大事に思う、甲津原の住民の思いを尊
重した上で、2100年以降にも、甲津原の長い歴史を継承し、甲津原という集落が存在していた記憶を未来に残すことを目的とした計画である。