公共に開かれた結婚式場の提案ー日本人の宗教観に対する考察を通してー

竹内 咲紀

LD賞2015

私は日常的に宗教を信仰しているわけではないが、本来宗教的な意味合いを持つ行事をすることについて疑問を抱いていた。中でも一番不思議に思うのはキリスト教式の結婚式である。キリスト教でもない人が教会風の場所で、神父さんのような人の前で誓いを立てることへの違和感から、もっと日本人にあった式の形があると考える。それは宗教や格式を気にする必要がなく、式参列者の全員が結婚の誓いの証人になってもらう人前式結婚である。
 しかし現在キリスト教式結婚の圧倒的な人気もあり、人前式結婚で式を挙げる人は、挙式をあげる人の2割弱で低い割合を推移している。
 そこで人前式結婚の認知を高めるべく新しい挙式のスタイルとして、式参列者だけでなく、偶然その場に居合わせた人、空間、時間が誓いの証人となる、公共に開かれた結婚式場を提案する。公共の施設で様々な世代の人が集まる場所として、駅を敷地に選択し、設計した。