研究室の紹介
石川研究室では、伝統的な建造物などで構成される町なみや集落(伝統的建造物群保存地区や文化的景観など)に関する研究を行い、地域文化財としての町なみ・集落景観における保全・継承のあり方について模索しています。
また、倒壊・解体していたり、絵図などの史料などでしか状況がわからないような現存しない建造物について、CADなどを用いながら復元・検討を行い、その建造物や周辺環境を含めた当時の歴史的景観も探っています。
研究内容の詳細については、「研究業績」や「卒業論文一覧」を参照していただければと思います。
なお、ゼミ(地域文化演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)は濱崎研究室と合同で行っています。また、調査などのフィールドワークも濱崎研究室と合同で行うことがあります。
2014年度 研究室メンバー
教 員 石川 慎治
修士1 ゴ・ティ・フォン
4回生 本保 輝紀
3回生 笛吹 真紀
川瀬 朋子
髙士 智尋
中野 凌太
西川瑠里子
山本 太朗
<これまでの主な調査・研究>
・シリア・アラブ共和国 パルミラ遺跡北墓地129-b号墓復元調査(建築)<人間文化学部濱崎研究室と合同>(2006年~ )
紀元2~3世紀の建造と考えられる神殿風の墓の発掘調査(「奈良・パルミラ遺跡発掘調査団」(団長:西藤清秀))に参加し、墓の復元研究を行っています。現在、墓・外観の復元案を作成し、墓・内部については検討中です(写真は、129-b号墓の推定復元図)。
・滋賀県彦根市河原町・芹町地区 まちなみ保存対策調査<人間文化学部濱崎研究室・環境科学部冨島研究室と合同> (2009年~2011年)
城下町彦根の南東部に位置する河原町・芹町地区の伝統的建造物群保存対策調査において、町家建築の実測調査を担当しました。江戸期から昭和戦前期までの町家建築が集まる伝統的町なみの実態が明らかとなりました(写真は、彦根市芹町地区の町なみ)。
・滋賀県高島市針江・霜降の水辺景観 文化的景観調査(建築・集落)<人間文化学部濱崎研究室と合同>(2008年~2009年)
湧水豊かな高島市針江・霜降地区における文化的景観調査において、建造物と集落景観について調査を担当しました。特に、湧水を用いた洗い場「カバタ」や、高床の米置き場「モノケ」といった付属屋を中心に、集落景観の特徴を探りました(写真は、針江地区のカバタ)。
・滋賀県彦根市 長曽根口御門復元調査<人間文化学部濱崎研究室と合同>(2006年~2009年)
彦根市内にある寺院に保管されていた部材をもとに、城下町彦根の外堀沿いにあった長曽根口御門の復元調査を行いました。調査により、長曽根口御門は高麗門形式の重厚な門であることが推定されました(写真は、長曽根口御門復元CG。CG作成:丹波正博)。
・滋賀県高島市海津・西浜・知内の水辺景観 文化的景観調査(建築・集落)<人間文化学部濱崎研究室と合同>(2006年~2007年)
かつて西近江路の宿場であり、港町としても栄えていた海津とその周辺地区における文化的景観調査において、海津・西浜地区の建造物と集落景観の調査を担当しました。湖岸沿いの石垣や、街道とヅシ(小道)の関係など、湖岸集落の特徴を見出すことができました(写真は、海津地区の石垣と浜)。