押し出し成形による新しい陶芸制作の提案

古長 美蘭 Miran Kocho

LD賞2017

私は小学生の時に陶芸教室に通い陶芸に興味を持ち、大学では地域活動団体近江楽座の「信・楽・人」や陶芸部に所属し陶芸と関わってきた。その中で、自分でももう一度陶芸をしたいという思いが強く湧いてきたため、卒業制作で陶器を制作することを決意した。そこで、陶芸の成形方法の中でも押し出し成形の造形的な面白さに着目し、その特徴をより生かした新しい陶芸制作を提案することにした。
 押し出し成形とは、ところてんの要領で、筒に入れた粘土に上から圧力をかけ、筒の底に設置した型の形通りに粘土を押し出す、陶芸の成形方法だ。断面の形状を一定にできるので、棒状や管状の製品をつくるのに適しており、大量に均一のものを量産することができる。しかし、管の形状の面白さを生かした作品はあまり見られない。管の空洞は物体に奥行きや陰影を生み出す。その特徴を生かし、管と管とを組み合わせた制作と、新たな管を作るための型の制作をし、2つの視点から押し出し成形の可能性を探った。