音楽アーティストと衣装の関係について衣装制作からの考察

西川 詩織

ジャズやパンクなどかつては音楽ジャンルごとにファッションスタイルがあり、ファッションはアーティストにとって音楽表現の一部だった。しかし近年サブカルチャーが浸透し社会全体で複雑化や多様化が進んだことにより、ジャンルが一つに絞り込めない音楽が多くなり、同様にファッションマーケットも細分化し多様化が進んだ。その影響で普段着のようないで立ちのアーティストが増えた。さらに近年はメッセージを訴えようとする音楽よりも、共感を求めようとする音楽が主流となったために、その音楽の持つ感情やイメージがファッションに現れにくくなり、以前のように音楽ジャンルとファッションジャンルの関連を見出すとが難しくなった。私はそのことに疑問を抱き、アーティストと衣装の関係について知りたいと思った。そこで一つの事例として夜の本気ダンスというバンドにインタビューを行いながら彼らの衣装を制作した。