世界遺産都市ホイアンにおける地域アイデンティティの考察

内田夢 Yume Uchida

 近年、グローバリゼーションに伴い、世界各地で観光開発が展開されている。その観光資源の一つにユネスコの世界遺産があるが、世界遺産登録は、魅力ある観光地としての知名度が向上し、観光客の増加につながると期待されている一方で、観光開発を進めるにあたって、経済的利益の獲得ばかりを追及すると、観光客を当て込んだ商売が増加し、結果として地域固有の景観や人々の生活に変化をもたらす可能性があると考えられる。このような事態を避けるためにも、観光地の現状を把握し、地域固有の文化や生活といったアイデンティティを見つめ直すことが、第一に求められていると考えられる。
 このような背景を踏まえ、本研究では世界遺産都市ホイアン(Hoi An)をケーススタディとして、ファサードをはじめとした町並みの現状を把握したうえで、ガイドブック・観光客・ホストサイドの3つの視点から、ホイアン独自の魅力について考察を行う。