コンビニエンスストアと地場問屋の タイアップ戦略ーローカル菓子の魅力を生かした顧客コミュニケーションー

林 晶 Akira Hayashi

LD賞2017

 近年の日本は、大手企業の市場占有率上昇や、EC市場の伸長などが関わる流通構造の変化から、メーカーと小売業を仲介する問屋の存在が希薄化している。しかし、地方の老舗中小メーカーが製造しているローカル菓子の魅力発信には、いまだに地場問屋の果たしている役割が大きい。
 また一方で、大手小売商業層を牽引するコンビニエンスストア業界では市場の寡占化が進み、「コンビニ飽和時代」の突入が問題視されている。
 以上の背景から、新たな市場機会を獲得すべく、実際に地場の菓子問屋との取引に独自に乗り出したコンビニエンスストアが滋賀県東近江市に存在する。しかし依然として双方の強みを生かした有効な戦略を描ききれていないという課題が発見された。
 そこで本研究では、地場問屋とコンビニエンスストアの双方の強みを生かした戦略策定を行うとともに、具体的なプロモーションの企画・実施から、ローカル菓子の魅力発信と、コンビニエンスストアにおける新たなビジネスモデルの探求を目的とする。