あかなプロジェクト

 日野菜の原産地、日野町鎌掛では日野菜をあかなと呼びます。このプロジェクトは、鎌掛の皆さん・しゃくなげ学校と共同で、あかなを焼畑や野焼きで手間をかけず安全においしくつくることを直接の目標にしていますが、その先に、火の力を媒介に山と農業を結びつけ、獣害を防ぎ、人間の生業活動場としての里山・雑木林・松茸山の再生を目指すものです。

 火入れによって生命は生き返り、<人間の自然環境>が出現する。火をもって人間と環境の歴史と現在をとらえる、それは私たちの生命もまた、生き返らせるのではないかというのが、今北哲也さんと私の想いです。自然が人間の道具でないように、火もまた人間の道具ではありません。強大な力を持つ破壊と生命再生の素であり、人間は火を懼れながら友としてきました。火の技術を取り戻すことは、同時に火という人間と自然を結んできた力への懼れと自然そのものへの懼れを取り戻すことになるでしょう。

 現在、日本の数地域で焼畑(佐々木章さんのリンク集をお借りしました)が行われています。焼畑は環境破壊と受け取られがちですが、これは誤解です。小規模で畑放棄後に森林回復期間をおいてやる限り、むしろ多様な植生を出現させ、生物多様性を増大させる効果が考えられますし、ここで燃えるのは再生可能な植物資源です。普通の火入れでは、広葉樹の根は生き残り、傍芽を序伐し続けない限り死にません。放棄後速やかに二次林に戻ります。

 日野町鎌掛のあかなプロジェクトの写真をどうぞ。私たちのあかなは休耕地をお借りし岡澤さんの尽力で野焼きしてつくりました。

 鎌掛のみなさんとしゃくなげ学校の皆さん、県大の戸田雄一君、塚本篤史君で火入れ、日野菜の種まきをしました。

この日野菜漬けは、少し堅めですが、とてもおいしいものでした。

   
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