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1、展示の趣旨
琵琶湖は生物の宝庫といわれるほど多くの貴重な生物がすんでいます。その中でも、琵琶湖の象徴ともいえるセタシジミは昔から琵琶湖周辺の人々の大切な食糧とされてきました。私の住んでいる町でも、現在では数は減ったものの、今もなお20軒ほどの家が漁業を行っています。その中の一人である、私の伯父も漁師をしており私の住んでいる町では唯一のシジミ漁を行っています。
そこで、朝食で当たり前のように食べている味噌汁の具であるシジミがいつ、どこで、どのようにして捕られているのか知りたいと思ったことがこの展示のきっかけとなりました。
この展示を通じてシジミがどのようにして捕られているのか少しでも多くの人に伝えることができればと思います。また、地味なように思えるシジミの知られざる魅力についても見ていきたいと思います。
2、 展示内容
○パネル1
イザ(シゲ)というシジミを捕る道具でシジミを捕っている様子、捕る過程を写真5枚をのせ、簡潔にわかりやすく解説することを心がけた。
≪シジミを捕る過程≫
@ 湖中にシゲを降ろす
↓
A同じあたりをゆっくり回り、底引きしながらシゲでシジミを捕る
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B 右盤についている巻上げを巻き、シゲを引き上げる
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C シゲについている網を引っ張り、船の上に落とす
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D スコップですくい、「トオシ」または「フルイ」でシジミと他の貝類などを選別する
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E さらに、手で大きな石や藻などを選別する
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F すりきりで、20s入るケースにシジミを入れ、さらに選別する
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GA〜Fを繰り返す
○パネル2
地味なように思われているシジミにはどのような栄養素があり、私たちの体にどのような影響をおよぼすか、シジミに含まれる栄養素とその効果についてわかりやすく解説しました。
○パネル3
シジミ漁に関して疑問に思うことなどを主に5つあげ、Q&A方式にすることでシジミ漁に関心をもっていただこうと思いました。
≪シジミ漁のQ&A≫
Q1:シジミがよく捕れる時期はあるの?
→A:3月末〜4月頃がよく捕れます。5月〜7月頃はシジミの産卵のため、禁漁期間となっています。
Q2:漁に出る時間帯は決まっているの?
→A:季節によっても異なるが、早朝4、5、6時頃には港を出て午前中には港に戻ります。
Q3:シジミは一日にどれくらい捕れるの?
→A:約40〜50s捕れます。
Q4:シジミ以外に捕れる貝はあるの?
→A:イシガイ、ドブガイ、タニシなどがあります
Q5:シジミのおいしい料理法は?
→A:やはりシジミといえばお味噌汁ですが、その他シジミご飯などもおすすめです。
○パネル4
私が実際にシジミ漁について行ったときに捕れた貝、三種類(セタシジミ、マルドブガイ、タテボシガイ)の写真とその解説を載せ展示ケースにおさめました。
≪シジミ漁で捕れる貝の種類≫
セタシジミ(シジミガイ科)
マルドブガイ(イシガイ科)
タテボシガイ(イシガイ科)
○パネル5
浅めの入れ物に本物の砂や石、貝などを入れ、シジミの貝殻が波や砂、石などによって削られどのように変化しているか、あまり波にさらされなかった貝殻、波にさらされ削られた貝殻、元々の貝殻の3パターンに分けて、見やすいようにシェーラーに入れ展示ケースにおさめました。
3.展示品
イザ(シゲとも言う)
シジミを捕る道具。湖底をかきまわすことによってシジミが網の中に入る仕組みになっています。
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