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展示の趣旨
自然界で光り輝くものと言われて、まず最初に鉱物を思い浮かべる人はほとんどいないでしょう。鉱物は私たちがこの手で触り、楽しむことのできる存在です。けれど鉱物ってなんだか難しそうと思っている方も多いはずです。そこで私たちはその中から誰もが興味を抱きやすいよう“珍しい石”“おもしろい石”を集めて展示したいと思いました。
現在、地球上で鉱物として発見されているものは世界で約4000種、日本で約1000種あります。展示物には岩石も含まれますが、岩石だ鉱物だと考えずに「石っておもしろい!」と感じてもらえればうれしいです。
展示物
テレビ石・・・・・絵や文字をこの石の下に置くと、浮かび上がって見えます。
菊花石・・・・・・石に菊の花が咲いたようです。
電気石・・・・・・熱すると静電気を帯びます。
蛍石・・・・・・・・ブラックライト(紫外線)を当てると光ります。
紫水晶・・・・・・きれいな紫色の水晶です。
黒曜石・・・・・・先史時代にナイフや矢じりなどの石器として使用された石です。

蛍石 蛍光下

蛍石 ブラックライト(紫外線)下

菊花石
このほかにも
なぜ蛍石が光るかについてや、きれいな色彩を持つ電気石もパネルで紹介します。
“石っ子賢ちゃん”と呼ばれたほど鉱物好きであった宮沢賢治は、その作品の中で鉱物を表現方法として巧みに取り入れました。また鉱物を題材とした『楢ノ木大学士の野宿』という物語も残しています。鉱物に興味を抱かれた方はぜひ読んでみてください。
『楢ノ木大学士の野宿』より
(楢ノ木大学士という男性が宝石採集について語る場面)
僕は実際、一ぺんさがしに出かけたら、きっともう足が宝石のある所へ向くんだよ。そして宝石のある山へ行くと、奇体に足が動かない。直覚だねぇ。いやそれだから、却って困ることもあるよ。たとえば僕は一千九百十九年の七月に、アメリカのヂャイアントアーム会社の依属を受けて、紅宝玉を捜しにビルマへ行ったがね、やっぱりいつか足は紅宝玉の山へ向く。それからちゃんと見付かって、帰ろうとしてもなかなか足があがらない。つまり僕と宝石には、一種の不思議な引力が働いている、深く埋まった紅宝玉どもの、日光の中へ出たいというその熱心が、多分は僕の足の神経に感ずるのだろうね。
楢ノ木大学士のように展示物の石の前で足が動かなくなってもらえればうれしいです。
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