「折り畳む」という動作がある。折り畳まれたタオルの、どこからどこまでが表で裏なのか、一目でわかるだろうか? 「表裏一体」という言葉がある。世界は “表”と“裏”でできている。時に表は裏であり裏は表と成りえる。 これは、折り畳むことで表裏や機能の区別をなくした空間である。それは、床であり表であり什器であり裏であるひとつの存在である。境界が曖昧になった空間の中で、人々の思いはゆるやかに重なり合ってゆく。