大岩を押さえる樹--屋久島瀬切川

瀬切川の上流を右岸にわたり、永田歩道に登る斜面で、大岩上に生えている木を見た。ヤクスギの倒木上に小杉が生え、朽ちた親木から養分をとって育つことは有名だが、屋久島のあちこちで見る大岩小岩上に生えている木もそれに劣らず見ものである。
 屋久島では雨が多く森からはしょっちゅう霧が立ち昇っている。この湿気のおかげで岩上の苔土でも木が育ち、何十年後かわからないが、やがては長く根を伸ばして台座の大岩もしっかり固定する。木々はどこでも大なり小なり岩や石をこのように押さえ、大地に固定するものだが、屋久島ほど、この力が明瞭に観察できる場所は多くない。(黒田撮影)



屋久島瀬切川の上流


屋久島永田岳と花之江川上部

 

  もとに戻る


[地域文化学科]