◆人間と自然界(黒田末壽)

(1)授業のねらいと内容

     いくつかの文化での自然や森のとらえ方を私自身の体験に照らしながら追っていく。次の3点がねらいである。
1) 人間にとって自然とは何か、人間と自然の共生にはどのような形があり得るのかを考えること
2)生態人類学の紹介
3)自己の感覚をもとに考える態度の確認

(2)授業計画
第1回  夜の森と生態的参与観察のすすめ-異文化の森へのイントロダクション
第2回  アフリカの熱帯林を歩く:森と人々の生活とさまざまな自然観
第3回  アフリカの熱帯林を歩く:境界者類人猿と精霊
第4回  アフリカの熱帯林の保護:自然観の衝突
第5回  森と戦う文明:古代
第6回  森と戦う文明:近代
第7回  人間中心主義:源流と近代科学
第8回  人間中心主義:動物と人間の関係
第9回  自然からの独立と共存史:生物の非自然性、動物のテクノロジー
第10回  自然からの独立と共存史:縄文人、開発、溜め池、品種改良
第11回  自然と一体化する思想 I
第12回  自然と一体化する思想I I
第13回  自然への畏敬と学問:今西錦司の自然学

(3)成績評価
いくつかの小レポートで評価する。

(4)テキスト、参考書
   テキスト:『自然学の未来:自然との共感』(黒田末壽、弘文堂)
参考書 :『人類進化再考:社会生成の考古学』(黒田末壽、以文社)、『森と文明』(J.パーリン、晶文社)
 :『人間と自然界』(K.トマス、法政大学出版)など、適時紹介する。