コミュニケーション論

担当:細馬宏通

2008年度/前期火曜1限


(1)授業のねらいと内容

【概要】   人と人とがことばを使いジェスチャーを交わすとき、ことばやジェスチャーの意味はあらかじめお互いの間に共有されているわけではない。また、意味は発し手から一方的に生まれるのでもない。むしろ受け手の反応によって次々と意味は更新されていくと見るべきである。最近のコミュニケーション理論は、多かれ少なかれ、コミュニケーションをこうした「双方向的」で「絶えず更新される」ものとして考えている。本講義ではこうしたコミュニケーション論の動向について、さまざまな理論を紹介しながら考えていく。

【到達目標】 (1)会話分析の基本概念を学ぶこと。(2)ジェスチャー研究の基本概念を学ぶこと。(3)既存のコミュニケーション・モデルを学び、その長所・短所に気づくこと。
【キーワード】 会話分析、ジェスチャー、双方向性、相互作用、関連性理論

(2)授業計画(更新される可能性あり)


第1回 イントロダクション:会話における音声と身体
第2回 会話分析入門:隣接ペア
第3回 会話分析入門:条件関連性
第4回 会話分析入門:選好性
第5回 会話分析入門:重複と修復
第6回 会話分析入門:成員カテゴリ
第7回 関連性理論:意図と伝達
第8回 関連性理論:応用
第9回 ジェスチャー分析:発語とジェスチャーの相互作用
第10回 空間をあらわすことばとジェスチャー
第11回 修復とジェスチャー
第12回 記憶とジェスチャー
第13回 多人数会話におけるジェスチャー
第14回 まとめ
第15回 レポート課題

(3)成績評価

レスポンスペーパー(50%)と期末レポート(50%)で評価する。

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