日比 喜子(ひび よしこ)
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職名 | 助教授 |
専門分野 | 調理学 |
担当科目 | 嗜好と調理、食品加工学 |
研究課題 |
(1)澱粉性食品は糊化・老化特性により品質が大きく左右される。現在は、アミロースとアミロペクチンの相互作用の面から老化について検討するため、アミロースの構造の違い(伸長構造か、螺旋構造か)がアミロース・アミロペクチン混合液の沈殿生成やゲル化に及ぼす影響を調ぺている。また、老化澱粉を食品素材として利用するための基礎研究として、種々の老化澱粉の物性を調ぺている。 (2)食嗜好の定着について、もともとは日本の食べ物ではなかったものが、どのようにして受け入れられ日本食化してきたかということについて、具体例の調査から、パターンを探りたい。 |
研究業績等 |
(1)熱、圧力、共存物質による澱粉の糊化・老化特性の違いを結晶構造の変化から把握することを試みた。そして、澱粉の結晶構造の崩壊は必ずしも糊化を意味しないこと、アミロース・脂質螺旋状複合体の存在は老化による結晶構造の回復を遅らせることが明らかとなった。さらに、アミロースの構造変化は、たとえぱ茶粥が白粥と比べてさらっとした状態で出来上がることにも関係があった。 (2)食べ物の嗜好性に関して、すしをモデルとして共同研究を行った。すしはどの地域、年代でも好まれる食べ物で、夕食に自宅で家族と共に食べられていた。東日本では握りずしが好まれ、出前の利用が多かった。西日本ではちらしずしが好まれ、手作りで喫食回数が多かった。すしめしの味は酸味・甘味・塩味のパランスにより嗜好され、地方別に嗜好の差が見られた。さらに、時代と共に味が変化しながら、すしが伝承されていた。 |
主な所属学会・役職 | 日本家政学会、日本調理科学会、日本応用糖質科学会、日本食品科学工学会 |