2020年9月2日

道具デザイン演習1 佐藤延弘 時を感じる

時を感じる
『ヒトとモノとをつなげる魅力的な感覚』

道具演習1の佐藤先生の最終講評会が行われました。

今回は、特定の用途を持たないもので心が動くものをバリエーション含め15個作るという課題。

商品としての完成度というよりは、その一歩手前でよい作品でありながら量産可能であるもの。

自分自身の感覚と向き合い、発見し、実験し、形にしなければならない課題でした。

見たことがあるものになってしまってはダメだし、かといって今までにないものを作ることも困難で、

限られた時間の中で魅力と感じたものを、自分なりに形にしてゆかなければならない困難さと格闘したことでしょう。

ろうそくを溶かして重ねた物体。使えないけど美しい。

ストローの組み合わせ、構成で作られたもの。

絵を描く際に使用したパレットを作品化したもの。

紙にしみ込むインクによるグラデーションの美しさを表現。

エポキシ樹脂のかたまりを空の色、月の色に見立てたもの。

モルタルの様々な表情に注目した作品。

コーヒーミルクポーションの形を転写したカラフルなもの。

もんじゃ焼きの土手から流れ出ることに着目したもの。

プラ板の自然な曲がり方に着目した作品。

机一枚につき一人の作品を並べてのプレゼンテーション。

簡易で優れたパッケージの中には木の棒にマーブリング。構成力が高い。

紙をちぎって固めたもの。ラムネのような色合いが素敵。

 

身の回りの何気なくも、豊かな発見から多くの作品が生み出されていました。

優秀作品には、佐藤先生より賞が送られました。選ばれたのは、水口久海さんと中谷華世さんです。

水口久海さんのシンプルなエポキシのカタマリは、用途もないけど、なぜか欲しくなる物体としての強さ、美しさが抜けていました。
 
もう一つ、中谷華世さんのもんじゃ焼きの土手がうまく作れないことに発想を得た作品は、様々な素材で土手を作り、そのU字型の枠に硬化する液体を流し込んだもの。着眼点とストーリーの組み合わせで高いオリジナリティを持っていました。
いつも素晴らしい景品をありがとうございます。
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2020年8月31日

道具デザイン演習3 子供椅子

今期の道具デザイン演習3は、3年生の授業でそのほとんどが遠隔授業となりましたが、木製の子供椅子が課題でした。

大学にも来れない中、機械も使えない中、各自でホームセンターを使ったり、工夫して制作しました。

従来からですが、本学は総合大学であり芸術大学のように工房も充実していないので、地域の木工所や銘木屋さんに頼ったり、

様々な地域との関わりの中で学生が課題や卒業制作を行っています。

全て大学の中で完結してしまわない事が、大学の枠と学生の活動の枠を地域に広げており、滋賀県立大学の特徴とも言えます。

みんな、家具製作も初めてで、合板と無垢材の違いもわからないような状態から、実際に椅子を作り上げる事の困難さを学んだことでしょう。

そして、また10月に彦根市内のギャラリーで展示を予定しています。

以下に、履修者全員の作品をご紹介します。

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2019年12月30日

道具デザイン演習2 「鍛える」

道具デザイン演習2 秋田道夫先生の今年の出題テーマは「鍛える」でした。

昨年の2倍、過去最高の24名の受講生となりました。

全8回のうち7回を南先生が担当し(そのうち1回は印南先生)最終講評は秋田先生という授業で、道具デザイン演習2最大の山場です。

受講生である2年生は最終発表のために入念に準備してきました。

「鍛える」というテーマを各自解釈して、バランスを鍛えるもの、体幹を鍛えるもの、目を鍛えるもの、筋力を鍛えるものなど様々な提案が出ました。

学生は、プロダクトとして実用に耐えるものを作っている人もいれば、パッケージや取扱説明書まで作る人もいます。

いつになく、プレゼンテーションパネルのレイアウトは凝っている人が多かった気がします。


実際に使っている風景をプレゼンするために友人に協力してもらったりしてプレゼンテーションが行われました。

投票で選ばれた優秀賞の3名には、秋田先生より80mmがプレゼントされました。秋田先生、ありがとうございました。

 

以下は、作品の写真です。

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2019年7月22日

時を感じる〜はじく

道具デザイン演習1の後半は、佐藤延弘先生の「時を感じる」課題です。

今年は、「はじく」をテーマに学生が作品を制作しました。

毒のある動物の警戒色に他の動物が近づかないことや、ロウが水を弾く特性、磁石が反発しあう事など、

個人個人が様々な解釈で「はじく」について考えた成果が作品になっていました。

学生も、普段考えたことが無いような一つの「言葉」の掘り下げに四苦八苦していましたが、みんな形になっていました。


佐藤先生のPull Push Products.は、「素材」と「ストーリー」をコンセプトに、クラフトの手法を用いて手仕事で製作したアイテムを発表しています。

https://pull-push.com/

 

2019年7月10日

モデルの提出日でした。

 

2019年7月24日

最終プレゼンの日でした。

はじくをテーマにした全作品を掲載します。

 

学生一人一人が2分でコンセプトを説明します。

時間内できちんと伝えることができなかったと後悔する学生もいました。

 

以下に、選ばれた上位3作品をご紹介します。

「種」に注目したクッションの作品です。

途中、どうなるかと先生は心配されていましたが、クッション3個を作り、終始楽しそうに作っていたのが印象的でした。

こちらの薄く透明なオブジェは、指で弾いてさまざまな音を楽しむプロダクトです。

はじくというテーマをストレートに解釈し、ありそうでなかったものになっていました。

現物をみないとわかりませんが、これはネオジムマグネットが円の中で反発しあって、決してくっつかないものです。

磁石の反発力を可視化した作品です。

 

 

優秀作品三点には、佐藤先生より豪華景品が贈られました。

学生がうらやましいです。

佐藤先生は、一つのテーマを途中で投げ出さずに深め、考え続けることを重視されて指導されています。

学生にとっては「はじく」という単純な言葉の意味をずっと考え続けた二ヶ月でした。

その中で、うまくいった人、満足できるものができなかった人。様々でしたが、

それぞれの中で考え続けた「はじく」は、皆の考え方に新たな価値を与えてくれたと思います。

佐藤先生ありがとうございました。

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