都市近郊における高架下空間の活用ーものづくりの場を媒体とした連続性を持つ空間の計画一

高橋愛美 Manami Takahashi

高架下空間はこれまで国内外で様々に利用されてきた。日本では1910年に新橋上野間が高架鉄道として開通し、現在でも新橋高架下は飲食店が立ち並び、「ガード下」の愛称で近隣の人に愛されている。現在では都市中心部では複合商業施設としての利用も盛んであり、2016年に竣工した「中目黒高架下」が記憶に新しい。
また、中心部から離れた都市近郊の高架下では個人商店としての利用が多くみられる。
しかし、特に都市近郊では近年、耐震改修されることでの商業施設の除却が行われつつも、その後商業としての回復は行わずに、倉庫や駐車場としての利用に留まっている。また、そもそも高架下空間が活用されないことで地域に空白地帯がつくられ、地域色を失うだけで無く、街の賑わいの空洞化もみられる。本研究では都市郊外の高架下の活用の可能性を考え、地域にとっての賑わいを与える手法を考えて行きたい。