2017年5月1日

第4回 繊維リサイクルアイデアコンペティション受賞

繊維リサイクルアイデアコンペティションは、現代社会において大きな課題となっている資源の有効活用や廃棄物の削減について、家庭から産業レベルまで、廃棄物を減らし再利用する技術と、社会的な仕組みの確立をめざして、産業・行政・大学の、緊密な交流のもとに取り組まれているリサイクルコンペです。

今年度、第4回を迎えた 繊維リサイクルアイデアコンペティションでは、“学生服のリサイクル”をテーマとして、1.学生服を回収・再利用する仕組みの提案、2.回収学生服からできた材料(反毛綿から作られたフエルト状不織布)から作る物の提案、この2つのジャンルによる提案が募集されました。

 第1次審査を通過した7作品の公開審査が、3月29日(水)に京都工芸繊維大学60周年記念会館大セミナー室で行われました。試作品の説明とプレゼンテーションの結果、人間文化学部生活デザイン学科4回生の山本彩乃さんが最優秀賞を、同学科4回生の小木曽のぞみさんが、カトーテック特別賞を受賞しました。

【主催】 (一社)日本繊維機械学会・繊維リサイクル技術研究会

【受賞作品のコンセプト】

最優秀賞 山本彩乃さん

品目名:「制服証布」

学生服によるリサイクル素材で作る「卒業証書を入れる二つ折りのホルダー」の提案です。制服の大部分を占める色をホルダー全体の色にして、卒業証書をとめる四つ角の部分は、スカートやズボンのチェック柄やリボンやネクタイの色などの部分的な特徴を反映させています。卒業証書が卒業を証明しているように、この「卒業証書ホルダー」は、自分がどんな制服を着ていたかを証明し、卒業と同時に着なくなってしまう学生服も、卒業証書ホルダーとして新たな形で生まれ変わることで着用者の手元に大事に残り続けます。

 

カトーテック特別賞 小木曽のぞみさん

品目名「図画作品ホルダー」

学生服によるリサイクルした素材で作る「図画工作の作品ホルダー」の提案です。生地の1.適度な硬さと厚み 2.軽くて丈夫 3.しっかりとしたハリ、の特性に注目しました。この「図画作品ホルダー」は小学校での使用を想定し、図工の時間に描いた絵を展示したり、学期末には自宅に持ち帰るための簡易的なケースの機能を持ちます。 デザイン面では、ステッチを効かせてアクセントにし、全体的に角を落として丸みを帯びた形状にすることで、子供らしいデザインとなるように心がけました。リサイクルされた学生服が新たなかたちに生まれ変わり、子供達ひとりひとりの手に渡るものが提案できたように感じます。

【審査委員】

木村照夫 京都工芸繊維大学 名誉教授 繊維リサイクル技術研究会委員長

成美弘至 京都女子大学 家政学部生活造形学科 教授

伊部京子 紙アーティスト株式会社シオン

森 浩志 東レ株式会社繊維GR・U事業推進室兼ライフイノベーション事業戦略推進室 主任部員

沖本智美 帝人フロンティア株式会社 情報企画部環境担当兼CSR調査戦略室 主事

迫部唯行 ユニチカ株式会社 産業繊維事業部 事業部長

有吉直美 株式会社チクマ キャンパス事業部 服育net研究所 主任研究員

玉田真紀 尚絅学院大学 総合人間科学部 環境構想学科教授 コンペティション実行委員長

【第4回 繊維リサイクルアイデアコンペティションのウェブサイトはこちら】

http://tmsj.or.jp/labo/recycle/movement/competition4.html